2016 Fiscal Year Research-status Report
政府間財政関係に着目した高等学校教育財政の財源保障に関する研究
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15K17348
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
小入羽 秀敬 帝京大学, 教育学部, 助教 (70609750)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 地方交付税 / 公立高等学校 / 基準財政需要額 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は前年度に引き続き高等学校費を含む県教育費、地方交付税交付金の基準財政需要額および実交付額を時系列で収集し、県ごとのデータセット作成を継続した。特に、比較対象として警察費と義務教育費の基準財政需要額、交付額、配分制度についてデータ収集を行った。代表者が以前収集した私立学校経常費助成費補助のデータを加えて、警察費、義務教育費、高等学校費の間での基準財政需要額と実支出額の関係について箱ひげ図を作成することによって県ごとの分散を明らかにした上で、比較分析を行った。その成果については日本教育行政学会や研究会などで発表している。 本年度の研究の意義・重要性としては、高等学校費の経年変化を義務教育費と警察費の経年変化と比較することで、高等学校財政の状況を相対化できたこと、警察費のように人員数の法的拘束力の強い領域では全国で基準財政需要額を超える額が交付されていたこと、一方で義務教育費のように総額裁量制等の導入によって県ごとのばらつきが拡大するなどの制度的影響が確認されたことが挙げられる。高等学校費は義務教育費と比べると、変動が少なく、むしろ全国的に条件が向上しているともいうことができ、義務教育での動きと連動しない形で高等学校費が決定していると推測される。 しかしながら、今回の分析では各校種での教員の年齢構成を統制していないため、人件費の大きさが教員の年齢層によって規定される可能性も完全には排除できない。その課題については次年度に検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
高等学校費を含む県財政の基礎的なデータセットの作成および分析を行うことができ、日本教育行政学会等で成果を発表することができたが、当初の予定であった県財務課および高等学校行政の担当課へのアンケート調査は異動後初年度であったこともあり、未実施である。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である本年は、財務課および高等学校担当課へのアンケート調査を実施し、データセットを作成した上で分析を行い、高等学校財政の実態について明らかにする。
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Causes of Carryover |
本年度のアンケート調査の未実施分により、当該助成金が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
各県にアンケート調査を実施し、基礎データセットと併せて分析を行い、研究成果の発表を行う。
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