2017 Fiscal Year Research-status Report
unlearn概念を介した人種主義に抗う教育実践に関する基礎的研究
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15K17350
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
酒井 佑輔 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 講師 (30632591)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | unlearn / 社会教育 / 在留外国人 / レイシズム / 移民 / 他者 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究成果の一部を、2017年6月の日本国際理解教育学会第27回研究大会で「地域に立脚した移民学習の現代的意義―鹿児島を出た民の歴史を手掛かりに―」と題して発表した。また、2017年9月に岩手大学で開かれた日本環境教育学会第28回年次大会 INTERNATIONAL DISCUSSION MEETING FOR A SPECIAL ISSUE OF JAPANESE JOURNAL OF ENVIRONMENTAL EDUCATION: ENVIRONMENTAL EDUCATION IN ASIA (JJEE-EEA2019)においても、その成果の一部を"Reconsidering Paulo Freire’s Pedagogic Theory on Environmental Education in Japan"と題して発表した。また、2017年9月には博士論文『ブラジルアマゾンの日系移民による教育と unlearn に関する研究―パラ州トメアスーにおける農業発展を踏まえて―』を書きあげ、unlearn概念の理論的整理を試みた。 2017年11月には、アメリカのミルウォーキーにおいて長年にわたり"Unlearning Racism"というワークショップを行っているYWCA Southeast Wisconsinにも訪問し、キーパーソンへのインタビュー並びにワークショップへの参加を実現することができた。また、カナダのヴァンクーバーにあるブリティッシュコロンビア大学にも訪問し、関係する研究者らとunlearn概念に関する意見交換を交わすことができた。これらの調査で得られた知見は、鹿児島大学共通教育で取り組んでいる授業「人種主義(レイシズム)を考える」で実際に活かすことができた。現在はこれらの研究成果を論文としてまとめられるように取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「やや遅れている」とした理由の1つは、これまでの学会発表等での研究成果を論文としてまとめることができていないからである。これらは2018年度中にまとめて成果を発表予定である。また別の理由としては、当初最終年度に計画していた社会人向けの公開講座を実施することができていないということがあげられる。この公開講座についても研究成果をまとめた後にその成果を還元するかたちで2018年度中に実施予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、6月初旬にブラジルで開催されるIV CONGRESSO INTERNACIONAL DE LITERATURA E ECOCRITICA国際学会に於いてその成果の一部を発表する。また、研究成果を日本社会教育学会ないしは国際理解教育学会へ投稿する。また、論文としてまとめた研究成果は教育実践(社会人向けの公開講座)を通じてその成果を広く地域(特に教育関係者)へと還元するように努める。
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Causes of Carryover |
まず6月初旬にブラジルで開催されるIV CONGRESSO INTERNACIONAL DE LITERATURA E ECOCRITICA国際学会に於いて、その研究成果の一部を発表する。また、研究成果を日本社会教育学会ないしは国際理解教育学会へ投稿する。また、論文として研究成果をまとめ発表するだけではなく、unlearnの理論を踏まえた実践を公開講座として展開することで、その成果を広く地域へと還元するように努める。
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Research Products
(3 results)