2016 Fiscal Year Research-status Report
アメリカにおける学校から職業への移行支援の特徴―職業教育改革の展開を中心に
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15K17372
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Research Institution | Kokusai Gakuin Saitama Junior College |
Principal Investigator |
石嶺 ちづる 国際学院埼玉短期大学, 幼児保育学科, 講師(移行) (80551655)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 統合カリキュラム / 職業への移行 / 後期中等教育 / アメリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
アメリカにおける若年者の学校から職業への移行に対する支援施策の展開を、ハイスクールにおける職業に関する教育の改善を中心に明らかにすることを目的に研究を遂行している。具体的な研究課題のうち、②政策転換の初期に大きな影響を与えたブランドの職業教育改革理念の解明と③Advanced Careerおよび関連する の事例分析を実施し、一定の成果を得た。 研究課題②については、2016年9月にワシントンD.C.の連邦議会図書館にて資料収集を行った。 事例調査では、2017年2月にオハイオ州デイトン近郊のテクノロジーセンターにおける職業教育の実施状況調査とライト州立大学における現地研究者との研究協議を行った。オハイオ州における職業に関する教育の実態を特に就学前教育従事者養成に関するカリキュラムを中心に解明することができた。 2017年3月には、サウス・カロライナ州コロンビアとアーカンソー州ホットスプリングスにて、Advanced Careerの実施状況を調査した。クリーンエネルギー分野およびものづくり分野のカリキュラムの開発・実施状況を明らかにすることができた。 また、研究課題②について、前年度までの研究成果を学会大会(日本産業教育学会第57回大会および日本教育制度学会第24回大会)報告し、参加者と協議を行った。さらにその結果も踏まえて研究成果を論文にまとめ学会誌等(『産業教育学研究』第47号1巻および『研究紀要』第38号)で公開した(2017年1月および3月)。 なお、研究課題①連邦職業教育研究所における研究の変遷については、関連事項として全米的な職業技能スタンダードの開発状況を、2016年9月の調査によって明らかにした。具体的には、スタンダードの開発を担う機関であるAdvanceCTEの代表者に対するヒアリング調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究課題①については、これまでの研究成果を踏まえて連邦職業教育研究所の提案を受けて行われた全米的な職業技能スタンダードの開発状況を解明することができた。 研究課題②については、追加の資料収集とこれまでの研究成果を踏まえて、成果を学会発表および学会誌への論文掲載によって公開することができた。 研究課題③については、Advanced Careerに関する現地調査によってその成果と課題を、特にクリーンエネルギー分野とものづくり分野のカリキュラムについて明らかにすることができた。また、研究を進める中で、Linked LearningおよびAdvanced Career以外の事例についても検討する必要性が生じたため、オハイオ州における職業教育カリキュラムの実施状況を特に就学前教育従事者養成カリキュラムを中心に解明することができた。 また、これまでの研究成果について、現地の研究者および職業教育担当教員、専門職団体職員と協議を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度には、特にカリフォルニア調査を実施する。カリフォルニア調査では、研究課題①③の解決にかかる現地調査を行う。研究課題①については、1990年代に連邦職業教育研究所がおかれたカリフォルニア大学バークリー校で、当時の関係者に対するヒアリング調査を実施する。研究課題③については、Linked Learningの実施状況に関するフィールド調査を行う。具体的な事例の選定については、プログラム実施機関であるコネクトエデュの協力を得ることとする。 また、研究課題③については、連邦議会図書館における資料収集の成果を踏まえて、Linked LearningおよびAdvanced Career以外の職業教育プログラムの実施状況調査も平成29年度の課題として位置付ける。具体的には、P-TECHプログラムを分析の対象とし、当該プログラムの実施状況をニューヨークおよびシカゴで調査する。
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