2015 Fiscal Year Research-status Report
生徒類型別にみる学校から仕事への移行経路の差異と共通性
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15K17383
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
知念 渉 大阪大学, 人間科学研究科, 助教 (00741167)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 学校から仕事への移行 / 生徒文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、学校ランク下位に位置づけられるX高校の中退者・卒業者にインタビュー調査を行うことによって、学校から仕事への移行経路が、生徒類型によってどのように違うのか(違わないのか)を明らかにすることである。その目的を達成するために、初年度である2015年度は、以下の二つの作業を行った。
(1)先行研究の検討及び分析の視点の構築 これまで蓄積されてきた「学校から仕事への移行」及び「生徒文化」に関する先行研究を整理し、本研究の意義や分析の視点について検討した。その作業を通じて、教育社会学領域で主に1960年代から1990年代までに行われていた「生徒文化」研究と、2000年代以降に活発になされるようになった「学校から仕事への移行」研究とを接続して、分析の視点を構築することを試みた。両者を架橋することで、「学校から仕事への移行に困難を抱えた若者」として一括りにされてきた若者たちの内部にある多様性に新たな光をあてることができるのではないかと考えている。 (2)X高校へインタビュー調査実施の依頼 X高校に赴き、調査協力の依頼をした。研究代表者(知念渉) が、2009年度から2012年度までX高校でフィールドワーク調査を行っていたということもあり、2009年度・2011年度・2012年度の入学者の中から調査協力を仰ぎ、対象者にアクセスして、調査を実施することになった。卒業者でなく入学者をベースにしているのは、中退者も調査対象に含めるためである。そして、3月までに数人へインタビューを行い、実際に調査を始めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の段階では、インタビュー調査を実際に始めるのは2年目からの予定であった。しかし、X高校の協力もあり、順調に調査が進み、初年度末から調査を実施することができた。そうした点からしても、本研究の進捗状況は順調だと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の主な課題は、インタビュー調査を進めてデータを収集することである。高校をすでに離れている者たちへの調査のため、調査協力に応じてくれる者を探すこと自体が難しい作業になると予測されるが、X高校の教員などに協力していただくことによって、可能な限りデータを収集する。 また、今年度の後半からは実際に分析を進め、最終年度に向けて研究成果をまとめていく。
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Causes of Carryover |
データ整理のためにアルバイトを雇うことを考えていたが、まだアルバイトを雇って整理するほどの資料収集ができておらず、研究代表者自身でデータ整理を行ったためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は本格的にデータを収集する年度である。そのため、今年度アルバイトを雇い、データの整理などを行う予定である。
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