2015 Fiscal Year Research-status Report
グローバル社会を生きる移民の子どもの居場所づくり:日米のコミュニティの支援と連携
Project/Area Number |
15K17387
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
徳永 智子 慶應義塾大学, 国際センター(三田), 講師 (60751287)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 居場所 / 移民 / 子ども / コミュニティ / 連携 / NPO / ニューカマー / 日米比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地域コミュニティによる「居場所」づくりに着目し、アメリカと日本において、コミュニティが移民の子どもに対していかなる教育支援活動を行い、コミュニティのアクター同士がいかにしてネットワークを形成しているのかを明らかにすることを目的とする。平成27年度は、主に、1.理論・先行研究の検討、2.フィールドワーク、3.研究成果の発表を行った。
1.理論・先行研究の検討:関連する国内外の理論・先行研究を幅広くレビューした。主に、居場所研究、日米におけるマイノリティの子どもと教育、コミュニティによる教育支援、コミュニティにもとづく参加型研究(Community-Based Participatory Research)、日米の多文化教育を中心に検討し、整理・考察した。 2.フィールドワーク:日本およびアメリカで予備調査を行った。エスニック・コミュニティを訪れ、対象地域の移民人口統計、歴史、支援制度・政策の経緯・現状、コミュニティの支援団体等に関する資料収集を行った。また、移民の子どもの教育支援・「居場所」づくりに従事するNPO/NGO、学校、大学などを訪れ、スタッフ・ボランティア・教員・子どもなどへのインフォーマル・インタビューおよび参与観察を行った。 3.研究成果の発表:これまでの研究経過の成果を中心に、日本およびアメリカで開催された学会で発表し、学術誌への投稿に向けた執筆を行った。アメリカのNPO団体による中国系移民生徒のための居場所づくりに関して検討した共著論文が編集本に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、理論・先行研究の検討および研究成果の発表を中心に行った。フィールドワークについては、予備調査を行い、日本では年間を通して定期的に進め、アメリカでは夏に短期の調査を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、引き続き国内外の学会等で研究成果を発表し、論文・著書の執筆を進めるとともに、日本とアメリカで移民の子ども・若者を支援するNPO/NGOや学校を複数訪問し、スタッフ・生徒・教員を対象に居場所づくりや連携のあり方に関してインタビューを実施したい。また、アクションリサーチの視点から、大学の教育実践の一環として地域の学校やNPO/NGOと連携し、マイノリティの子どもの居場所づくりの活動を行い、大学と地域コミュニティの連携・協働のあり方を検討したい。
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Causes of Carryover |
長期の海外調査を次年度以降に見送ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
これまでの研究経過の成果を中心に英語での著書を執筆しているため、その校閲料金として使用する予定である。
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