2017 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of theoretical-practical bases for community study from a global perspective in social studies education
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15K17393
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
小瑶 史朗 弘前大学, 教育学部, 准教授 (50574331)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 国際理解教育 / 地域学習 / 社会科 / 地方的視座 / グローカル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、日本の「先進国」としての位置付けを強調してきたこれまでの国際理解教育が歴史的役割を終えつつあるとの認識に立ち、それとは異なる新たな学習モデルを「地域」に視点をおきながら探究することを目的としている。その際、社会科を主要な検討対象に置きつつ、国際理解教育と地域学習の接合が求められている背景を理論的に究明するとともに、教育実践の指標となる実践的枠組みを構築することをめざした。 このうち、国際理解教育と地域学習を接合する論理に関する理論的検討については、前年度までに検討を終えており、本年度は実践基盤の構築に取り組んだ。まず初めに、これまでの国際理解教育において「地域」が教育実践の中に以下に組み込まれているかを検証した。その結果、「地域」が専ら活動・行動の舞台として位置づけられる傾向にあること、そして地域と世界を結合させる認識枠組みが不足していることを問題化した。そのうえで、世界と地域を結合させるための認識論的枠組みとして、①国際比較アプローチ、②関係発見アプローチ、③重層構造アプローチという3つの学習アプローチを考案し、各アプローチの意義や教材開発の視点などを青森県の地域素材と関連付けながら探究した。この探求の成果は、学術論文として発表した。現在、これらの実践的な指針を基盤にして、青森県の地域素材の教材化に焦点を当てた書籍づくりを進めており、その成果は2019年2月ごろに刊行する予定である。
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