2017 Fiscal Year Research-status Report
ものづくり学習における神経教育学的アプローチを取り入れたカリキュラム開発
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15K17394
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
臼坂 高司 茨城大学, 教育学部, 准教授 (30610688)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 神経教育学 / のこぎり引き / 脳科学的アプローチ / NIRS脳計測装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
ものづくり学習の道具操作の1つにのこぎりを用いた切断があるが,社会的にも強く要請されている科学的根拠に基づく教育を施すためには,のこぎり引きを神経教育学的観点から見直す必要がある。そこで本研究では,教示方法の異なる2つの条件を設定したのこぎり引きにおいて切断成績と切断時の脳血流量を計測し,教示方法の在り方について神経教育学的観点から検証した。 29年度は,28年度に実施した本調査の詳細な分析を実施した。本調査では,のこぎり引き経験の少ない大学生20名が実験に参加した。実験条件として,教示群(10名)と試行教示群(10名)を設定した。教示内容は両刃のこぎりの刃(縦引き用の刃と横引き用の刃)の違いについてであった。教示群では,先に教示を与えその後切断調査を行うことを2回繰り返した。試行教示群では,教示を行わずに1回目の切断調査を行い,その後教示をしてから再度切断調査を行った。 切断成績は,のこぎり引きの切断長さと切断誤差を計測し,その平均を取ることで評価を行った。 脳活動の評価では,計測中の動きに対する制限が少なく,日常生活に近い環境下での脳機能計測が可能な近赤外線分光法(NIRS:Near Infra-Red Spectroscopy)を用いた。具体的には,調査協力者ごとに酸素化ヘモグロビン濃度(Oxy-Hb)及び脱酸素化ヘモグロビン濃度(Deoxy-Hb)についてHb波形を表示した。次に,各調査協力者のHb波形から総加算平均波形を算出した。なお,Deoxy-Hb波形は,Oxy-Hb波形に比べて実験では顕著な変化を示さなかったことから,分析対象から除外した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では,脳活動の計測を行っているが,データの分析には脳科学に関する専門知識や統計処理が必要であり,予定よりも多くの時間を要した。そのため,平成29年度内に予定していた論文投稿が30年度に持ち越しとなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究成果をまとめ,論文として学会誌に発表していく。
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Causes of Carryover |
30年度に論文投稿を行う予定であり,投稿に必要な経費として繰り越すため。
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