2017 Fiscal Year Research-status Report
中高美術科教員養成におけるモデルを用いた彫刻教育の指導法の研究
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15K17397
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
永江 智尚 愛知教育大学, 教育学部, 講師 (80742692)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 彫刻教育 / 教員養成 / 説明力 / ポートフォリオ |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度の研究の方針は,研究の第3段階にあたり,「教員養成大学でのモデルを用いた彫刻教育の効果的な指導法開発」である。第2段階において,彫刻の教科専門科目としての学びが,彫刻教育における指導力につながるように授業改善する必要性と方針が明らかとなったため,本段階では,「参考作品の提示とその解説」「ポートフォリオ評価を用いた毎授業後の言語化」を仮説検証授業に取り入れ,効果の検証を行うこととした。仮説通りであれば,造形要素に関わる説明力の向上が期待できると考えた。効果の検証は,第1段階で行ったものと同様のプレテストとポストテスト,アンケート調査を仮説検証授業の前後で行い,授業改善の前後で比較できるようにした。 第3段階の仮説検証授業実施およびデータ収集は,研究2年目の後半,研究3年目の前半,研究3年目の後半の3回分が完了しており,その授業分析は研究2年目の後半,研究3年目の前半の2回分が完了している。授業分析の結果,研究2年目の後半の授業では,造形要素に関わる説明力に向上がみられたが,研究3年目の前半の授業では当該能力の向上が見られなかった。この2つの仮説検証授業では,授業内容,時期,参加学生,ポートフォリオの実施方法に違いがあるため,どの要因が影響して起こった結果であるかについて再度検証する必要性が明らかとなった。研究期間を延長し,さらにデータの収集を行い,仮説検証授業で用いた指導法の効果を検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究2年目の後半に実施した仮説検証授業ではポートフォリオ法を活用した実習を行い,仮説に合致した成果をおさめた。しかし,研究3年目前半に実施した仮説検証授業では,ICTを用いたポートフォリオの実践をしたところ,研究に合致した成果は得られなかった。これらの仮説検証授業では,授業内容,時期,参加学生,ポートフォリオの実施方法に違いがあるため,どの要因が影響して起こった結果であるかについて再度検証する必要があり,データ収集および分析を延長し,研究の精度を上げることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
仮説検証授業のポートフォリオの実施方法を,研究2年目の後半に実施したものと同様に戻し,再度実施し,データを収集及び分析する。分析結果の如何によって,研究4年目の後半に実施する仮説検証授業の内容を検討し,データの収集および分析を行い,研究結果をまとめる。
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Causes of Carryover |
研究2年目の後半に実施した仮説検証授業ではポートフォリオ法を活用した実習を行い,仮説に合致した成果をおさめた。しかし,研究3年目の前半に実施した仮説検証授業では,ICTを用いたポートフォリオの実践をしたところ,研究に合致した成果は得られなかった。これらの仮説検証授業での結果から,研究計画に変更が生じ,論文発表やそれに関わる諸費用が経費としてかからなかった。次年度の研究においては,仮説検証授業を継続実施し,研究データを収集・分析するために用い,論文等にまとめ発表する。
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