2017 Fiscal Year Annual Research Report
A Study of the Role of Teacher Training and the construction of "Educational Public Nature" through the Teaching volunteer activities
Project/Area Number |
15K17408
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Research Institution | Tokyo University of Social Welfare |
Principal Investigator |
石崎 達也 東京福祉大学, 教育学部, 准教授 (50612818)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 教師教育 / 教員養成 / ボランティア活動 / 教育方法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、教職ボランティア活動の実践活動報告から教員養成における教職ボランティア活動の役割と可能性を考察し、大学と地域との連携による循環型教員養成モデルの構築を目指すことである。 基礎研究では、これまで大学におけるボランティア活動支援に関する先行研究・実践例を調査したところ、体験的に学ぶことやその意義が強調され、体験を通して学ぶ、さらには体験から何かを学ぼうとする態度を育てることに関する研究が残されたままであることが明らかとなった。また、ケアリング論(Noddings, N. 2003)の概念や関係発達論(鯨岡峻1999)の理論的枠組みに依拠しつつ、「教えられる人であると同時に教える人でもある」という二重の体験が「教師になっていく」過程における自己変容をもたらす契機となるという観点から「教育的公共性」という言説の捉え直しを試みた。 調査研究では、大学と地域の教育機関との連携による教職ボランティア活動をフィールドとして設定し、ボランティア体験の現象学的理解を深めるために、「ボランティア体験を分かちもつ記録」を導入した。その結果、「ボランティア体験を分かちもつ記録」を作成する過程が、ボランティアに参加した大学生のボランティア体験の意味を見つめ直す機会となり、教師を目指す自らの今後の課題を見つけることを促すことにつながる記述がみられた。 一方、本調査研究の中間成果発表の場において、学生のボランティア体験の記述をどのように評価するかという観点が不十分であるという指摘を受け、改めて、学生の「育ち」を中心に検証したところ、教職ボランティア活動における「育ち」とは、1)学校現場でのボランティア活動における役割や責任が増大すること。2)学生と教員、学生と子どもたちの間で、共通言説(=共有される言葉)が獲得されていくことであることが明らかとなった。
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