2015 Fiscal Year Research-status Report
子どもの思いや気づきを生かす生活科の授業づくり―新教科創設期の実践に学ぶ―
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15K17411
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Research Institution | Aichi Toho University |
Principal Investigator |
白井 克尚 愛知東邦大学, 教育学部, 助教 (60643400)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 新教科創設期 / 研究推進校 / 生活科授業づくり / 愛知県宝飯郡御津町立御津南部小学校 / 授業研究記録 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、研究計画の確認を行い、現地調査と資料整理を開始した。研究計画としては、研究対象とする新教科創設期を、平成4(1992)年度に生活科が全面実施される以前の昭和63-平成2(1988-1990)年度に、文部省より全国に51校生活科に関する研究推進校が委嘱され、生活科の指導計画の作成、指導方法の工夫、教材の開発、授業の実践などについての研究が取り組まれていた時期として絞った。また、研究対象とする事例として、新教科創設期における生活科に関する研究推進校の中でも、「子どもの思いや気づきを生かす」というテーマに基づいて実践的研究を行っていた愛知県宝飯郡御津町立御津南部小学校における取り組みを取り上げた。平成27年4月28日、平成28年2月22日に、現地調査を行い、研究協力者からの協力を得て、学習指導案、実践記録、研究紀要、発表資料、授業研究記録などの貴重な実践資料を収集することができた。資料整理を通じて、以下の三点が明らかになった。第一に、御津南部小における生活科授業づくりが、全国の小学校における生活科の全面実施に大きな影響を与えていたことである。第二に、御津南部小における生活科授業づくりが、全校の共通理解と協力体制の方針のもと 組織的に取り組まれていたことである。第三に、御津南部小における生活科授業づくりが、独自に4つのポイントをもって取り組まれていたことである。これらの検討結果に基づいて、日本生活科・総合的学習学会(平成28年6月11日、宮城学院女子大学)において報告を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、子どもの思いや気づきを生かす生活科の授業づくりに関して、新教科創設期における実践を対象として、現在において学ぶべき視点を探ることを目的とする。平成27年度は、新教科創設期における研究推進校であった愛知県宝飯郡御津町立御津南部小の取り組みに関する実践資料をほぼ確認、収集することができた。また、研究協力者のおかげで、貴重な授業研究記録などの資料も確認することができた。平成28年度の学会報告の目途もできたことなど、概ね順調に進展しているものとして評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、当時の愛知県宝飯郡御津町立御津南部小学校に勤務していた関係者に対する質問紙調査を5月末までに回収し、調査結果をもとに新教科創設期における研究推進校の生活科の授業づくりの実態を明らかにする。調査結果に関する考察については、7月に行われる日本学校教育学会において発表し、広く意見を求める予定である。また、追加調査として、8月の夏季休暇中に、関係者へのインタビュー調査を行い、これら関係者への調査結果をもとに、研究推進校の教師における生活科教科観の形成についても検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
平成28年度は、研究成果について学会での報告を2回行うことを計画しているため。また、追加のインタビュー調査を予定しているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は、学会参加費用において必要な経費が生じると思われる。また、インタビュー調査用に必要な備品を購入する計画をしている。
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