2017 Fiscal Year Research-status Report
An Empirical Study on Curricula and Didactics of the Ethical and Moral Education in Germany
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15K17412
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Research Institution | Osaka Shoin Women's University |
Principal Investigator |
濱谷 佳奈 大阪樟蔭女子大学, 児童学部, 講師 (60613073)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ドイツ / 宗教教育 / 道徳教育 / 宗教科 / 倫理・哲学科 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は、第一に、多様な民族的・宗教的・文化的背景を持つ児童によって構成されるドイツの基礎学校における宗教教育の現状と課題を明らかにするため、研究調査結果の分析を行い、カトリック教育学会で発表を行った。 特に、ドイツでは社会の宗教的多元化に加え、2009年の国連障害者権利条約の批准により、特別支援学校で学んでいた子どもも基本的には通常学校に通うことになり、インクルージョンを教育の基盤とする考え方と実践とが広がりを見せている。こうしたなかで、宗教科でも、各々の児童が到達する目標が異なることを前提とし、個別に学習を進めると同時に、小グループやクラス全体で問いや学習成果を共有する互助的な学習環境を構築していることが明らかになった。 第二に、ドイツの倫理・道徳教育が、諸宗派、諸宗教、諸世界観を調和させるため、どのような葛藤を経て、どのように変化していったのか、その歴史的展開を考察し、学位論文としてまとめることができた。 第三に、2018年2月に参与観察を継続している学校および新たに選定した学校での授業観察を行った。公立の宗派学校での新たな動向を把握すると同時に、管理職および研究協力者へのインタビュー調査によって、道徳教育改革の実態に関する知見を深めることができた。 さらに、第四として、ドイツ側研究協力者との協議により、邦訳版実践哲学科教科書を用いた道徳教育の学習指導法ワークショップの開催準備を進めることができた。このワークショップは、具体的な授業づくりを通して、日本での「考え、議論する」道徳教育の学習指導法とのアイディアの交流を図れるよう企画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ドイツの倫理・哲学科と宗教科による倫理・道徳教育が、諸宗派、諸宗教、諸世界観を調和させるため、どのような葛藤を経て、どのように変化していったのか、その歴史的展開を追究し、学位論文にまとめることができたため。 また、そうした研究成果を日本における実践及び教師教育に活かしていくという目的に向け、ドイツ側研究協力者および日本側研究協力者からの協力を得て、実践哲学科教科書の翻訳と監訳を完了し、ワークショプ開催に向けた準備を進めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度までの調査・研究を通して明らかになった成果を関連学会で発表し、今後の研究の方向性について、関連分野の研究者からの示唆を得る。 邦訳版実践哲学科教科書を用いた道徳教育の学習指導法ワークショップを開催し、日本での「考え、議論する」道徳教育の学習指導法とのアイディアの交流を図る。こうした機会を通して、研究課題の最終年度であることを意識しつつ、今後のポスト・グローバル化時代における道徳教育モデルの構築につながる研究に取り組む。
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Causes of Carryover |
邦訳版実践哲学科教科書の出版と教師教育に資するワークショップの開催に向けた準備を継続しているため。次年度は、主として、研究図書・雑誌の購入、ドイツでの調査旅費、実践哲学科教科書の翻訳出版に必要な版権使用料と製作費、ワークショップ開催に伴う会場費と旅費に使用する計画である。
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Research Products
(1 results)