2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development in Kindergarten and Elementary School Cooperate Multicultural Music Learning Approach for Multicultural Coexistence
Project/Area Number |
15K17413
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Research Institution | Osaka Ohtani University |
Principal Investigator |
峯 恭子 大阪大谷大学, 教育学部, 准教授 (90611187)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 幼小連携 / 多文化音楽教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目的は,幼児期からの文化的アイデンティティの育成を目的とした多文化音楽学習アプローチを開発することである。研究の全体構想における本研究の目的は,(1)先駆的に多文化音楽教育を行っている諸外国における多文化音楽教育論を分析し,(2)現地の様々な事例を分析・検討することによって,その学習内容およびアプローチ方法を明らかにすることである。 まず,研究対象としている米国では,全米芸術教育標準(1994)の策定から約20年が経過するなかで,批判的思考や問題解決,コミュニケーション,協同,創造性,情報リテラシー,社会性,異文化理解能力などの21世紀型スキルに対応する標準の策定が進められてきた 。その新たな標準として2014年6月に改訂されたのが「全米コア音楽標準」である。この標準では,これまで明記されていた“多文化”という視点が直接的に明記されることがなくなったことに伴い,本研究では,最新の標準の分析・検討を進め,その特徴を明らかにした。その結果,これまでの行動や活動を重視するスタンダードから,思考や認知のプロセスに着目し,メタ的に音楽を評価し,音楽をその目的や文脈から捉えることを重視するものに変更されていることが明らかとなった。 次に,幼小連携の視点から多文化的な音楽学習を行っている諸外国の分析として,オーストラリアのBulimba State Schoolを視察し,実践分析,及びカリキュラム分析を行った。その結果,Bulimba State Schoolの音楽カリキュラムの特徴として,(1)基本的には音楽リテラシーを中心としたカリキュラム構成になっていること,(2)音楽的な理解を伴った音楽経験を一貫して志向していること,(3)人間性のレベルにおいての音楽的能力の育成を行なっていること,の3点を明らかにした。
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