2015 Fiscal Year Research-status Report
自閉症スペクトラム障害の診断、評価における脳画像の客観的指標への応用
Project/Area Number |
15K17418
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
横田 晋務 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (70734797)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 自閉症スペクトラム障害 / 磁気共鳴画像法 / 実行機能 / 社会的認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究で対象とする自閉症スペクトラム障害(ASD)は幅広い状態像を示し、彼/彼女らへの支援を講じる上で早期発見、早期支援は非常に重要である。しかし、現状では、行動評定による診断が主であり、客観的な診断基準に乏しい。客観的な診断基準の1つとして、本研究では、中間表現系である脳形態・脳機能に焦点を当て、ASD児と定型発達児群との比較から,ASD群に特異的な脳形態,および脳形態と認知機能との関連を解明することを目的としている。平成27年度では,主に脳形態に焦点を当て、局所灰白質量や白質の統合性などの指標を用いて、定型発達児との比較検討を目的とした。 ASD児40名および生活年齢,性別を統制した定型発達児30名の脳形態画像,脳機能画像,および認知機能データの取得を行った。予定対象者数の8割ほどのデータ取得を終えているが,引き続き,対象者の撮像とデータ解析を行っていく予定である。 また、ASD児のデータ解析と並行して、定型発達児を対象としたデータベースを用い,認知機能のパターンと脳形態の差異について検討を行い、知能指数のパターンから6群を抽出し、これらの群間における脳形態の差異について解析を行った結果、全般的に知能指数の低い群に比べ、言語性知能が優れている群、動作性知能が優れている群では、右側中側頭回における灰白質量が少ないことが明らかとなった。さらに、同様のデータベースを用い、上縦束における白質の統合性を反映する指標と動作性知能との間に有意な相関を見いだした。これらの成果については、今後ASD児と定型発達児を比較する際に基盤となる知見になると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では,医療機関などによる,発達障害,自閉症,アスペルガー障害などの診断を有している者を対象としているが,国際的な自閉症診断ツールの1つであるADI-Rを用いて診断を確定した場合,必ずしも全ての候補者がASDと診断が確定される訳ではないため,対象者が非常に限定されている。そのため,予定人数に未だ達しておらず,予定した脳形態画像の集団解析が実施できてないことが理由として挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,対象者リクルート機関を増やし,十分な数のデータを取得することを目指す。その後,集団解析を行い,脳形態の群間比較や認知機能との関連についての解明を行う。
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Causes of Carryover |
当初予定していた対象者数を満たすことが出来なかったため,認知検査や自閉症診断ツールの物品費,および検査員への人件費・謝金に余剰が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度で予定対象者数を確保するため,今年度の余剰額は,おもに物品費,人件費・謝金として使用する予定である。
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Research Products
(3 results)