2015 Fiscal Year Research-status Report
特別支援学校における超重症児への指導とその成果に関する教師の意識調査
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15K17419
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
野崎 義和 宮城教育大学, 特別支援教育総合研究センター, 講師 (20733067)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 超重症児 / 特別支援学校 / 調査研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
わが国の重症心身障害児(者)療育の場では、濃厚な医療的ケアが継続的に必要な人たちが増加し、その中でも医療的ケアの必要度が特に高い群は「超重症児(者)」と呼ばれている。そして、特別支援教育の場においても、このような子どもたちが顕在化している現状にあるが、特別支援学校等の教育機関を対象とした調査報告は少なく、超重症児への教育上の対応に関する情報はほとんど得られていない。 そこで平成27年度は、全国の特別支援学校のうち、知的障害(訪問教育実施校に限る)・肢体不自由・病弱のいずれかを対象としている530校に対してアンケート調査を実施した。各学校へは、2種類のアンケートに対する回答を依頼した。ひとつは学校全体での超重症児の在籍状況と基本的な指導場所について尋ねたもの(以下、アンケートⅠ)である。もうひとつは、超重症児該当児童生徒を1名挙げてもらい、その子ども(以下、対象児)への各指導過程の実際と指導の成果について尋ねたもの(以下、アンケートⅡ)である。 アンケートⅠは各学校に1部送付し、重複障害学級担当者に回答を依頼した。一方、アンケートⅡは各学校に4部送付し、回答は選択した対象児の担任教師に依頼した。調査期間は平成28年1~3月である。 平成28年5月現在、回答の集計・分析作業を進めているところであり、結果の一部を日本特殊教育学会第54回大会の自主シンポジウム(※)にて報告する予定である(学会大会参加の申し込みと発表論文集の原稿提出は完了)。 (※)このシンポジウムは、科学研究費補助金(基盤研究(C)、課題番号16K04808、代表者:川住隆一)による研究の一環として実施される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、特別支援学校における超重症児への指導とその成果に関する担任教師の意識を明らかにし、今後の実践的研究課題を示すことである。平成27年度は、全国規模のアンケート調査を計画していた。平成28年5月現在、回答の集計・分析作業が当初の予定よりわずかに遅れているものの、計画通り平成27年度内にアンケート調査を実施できたことや、日本特殊教育学会第54回大会にて研究成果の一部を公表する予定であることから、全体的にみれば本研究はおおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、平成27年度に実施したアンケート調査の結果について詳細な分析を行う。そして、超重症児の担任教師数名に対し、超重症児の状態像をどのように捉えながら指導してきたかについて、半構造化面接を通して聴取する予定である。この面接調査によって、担任教師の超重症児への理解・対応のプロセスに関する示唆を得たいと考える。
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