2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of the relationship between phonological awareness skills and reading performance based on stimulus equivalence
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15K17423
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
丹治 敬之 岡山大学, 教育学研究科, 講師 (90727009)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 刺激等価性 / ひらがな単語読み / 幼児 / 音韻意識 / タブレット学習ソフト / 知的障害 / 特別支援学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は調査研究と実践研究からの成果が得られた。 【調査研究】:研究1年目~2年目に実施した、幼児約230名を対象にしたひらがなの読みと音韻意識の関連性についての調査結果を分析した。その結果、以下の関連性が認められた。4歳児~5歳6か月児においては、①ひらがな単音の読みには音韻分解との関連、②ひらがな単語の音読、ひらがな単語の意味理解、ひらがな単語の文字配列には語頭音抽出、音韻分解、語の逆唱の関連が認められた。また、ひらがな読み課題成績間の関連では、ひらがな単音の読みが、ひらがな単語の読みとひらがな単語の文字列に影響を与え、ひらがな単語の読みとひらがな単語の文字配列が、ひらがな単語の意味理解に影響を与えていることが示唆された。この結果から、ひらがな読み入門期段階と想定される就学前幼児を対象にしたとき、刺激等価性の枠組みで設定されるひらがな読み課題と音韻意識の課題間関連が明らかになり、読み入門期の障害児支援の基礎資料として活用されることが期待される。 【実践研究】:知的障害のある児童生徒を対象に、本研究で開発したタブレット学習ソフトを使用した実践を実施した。対象は特別支援学校に在籍する児童生徒2名であった。見本合わせ課題を搭載した学習ソフトは、刺激等価性の枠組みを用いた読み学習に取り組むことができるものであった。1名は、指導目標の達成にはタブレット学習ソフト以外の学習課題の設定が必要であった。1名は、本ソフトに搭載された見本合わせ課題の系統的な学習により、指導目標を達成することができた。使用した教員からは、系統的な指導展開が可能になったこと、タブレット端末の学習教材により児童の動機づけを高めることにつながった等の意見が得られた。一方で、学習コンテンツのバリエーション、学習課題の系統性を組み立てられる指導ガイドの開発等の課題も明らかになった。
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