2016 Fiscal Year Research-status Report
高等学校への学びのユニバーサルデザイン（UDL）の導入とその効果検証
| Project/Area Number |
15K17429
|
|---|
| Research Institution | Hokkaido University of Education |
|---|
Principal Investigator |
川俣 智路 北海道教育大学, 大学院教育学研究科, 准教授 (80633487)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
| Keywords | 学びのユニバーサルデザイン(UDL) / 学習支援 / 授業改善 / カリキュラムの障害 / 授業実践例 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
学びのユニバーサルデザイン（UDL)の理論を，実際に東京都北区のA高等学校の授業実践に試験的に適用し，授業実践を行い，その授業実践についてコンサルテーションを受けた。そしてその結果を基にして，この高等学校でUDLを適用した授業実戦を継続的に実施するためのプロトタイプを作成し，翌年度はそれをベースとして継続的にUDLを実施することが可能となった。
年度初めにはA高等学校にて，これまでの研究実績を基にしたUDLの理論的枠組みの研修を実施し，その後英語，国語，数学の授業において一定期間，UDLの理論的枠組みを反映させた授業を実践した。必要な環境の調整，教材の作成なども実施した。その際の教室の変化について観察，教員へのヒアリング調査を実施しデータを収集し，そのデータ内容を検討した。
さらにUDLを反映させた授業を，UDLを提唱したアメリカの団体であるCASTのスタッフを招き評価を受け，さらに継続的にUDLを反映した実践をするためについて何が必要かを検討し，その内容を整理した。年度末には収集したデータや，コンサルテーションの内容についてまとめたものを，A高等学校の教員にフィードバックをし，来年度の実践内容，生徒への簡易アセスメントの内容や収集データの種類，使用する尺度等の調査内容の計画を立てることができた。
研究の途中経過の報告として，日本発達心理学会第２８回大会自主シンポジウム，日本思春期青年期精神医学会第２９回大会口頭発表，31st International Congress of Psychology 2016 Contributed Symposium，日本教育心理学会第５８回総会ポスター発表，日本LD学会第２５回大会自主シンポジウムにて学会発表を実施した。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度調査フィールドの変更があったため遅れていた，試験的な実践を実施してコンサルテーションを受けることができたため，必要なデータ収集と継続的な実践の実施のためのプロトタイプ作成を実施し，昨年度の遅れは十分に取り戻している。
一方で今年度中に予定していた簡易アセスメントの選定，実施は調査時期の遅れにより次年度の４月に実施となった。また研究代表者の所属が変更したため，予定していたアメリカ視察とUDL-IRNへの参加・発表については次年度に実施することとなった。
最終年度では，継続的な実践の実施と調査，アメリカの視察，UDL-IRNへの参加・発表などを予定しており，十分に研究成果を挙げることができる見通しが立っている。
|
| Strategy for Future Research Activity |
調査協力校にて，４月より継続的に，簡易アセスメント，それに基づくUDLを適用した授業実践の実施とデータ収集，アメリカ視察とそれに基づいての授業実践の修正，各種学会での報告，UDL-IRNへの参加・発表を予定している。
また最終年度のため，これまでの研究経過，成果をまとめたリーフレットを作成し，広くこれを研究成果として公表する予定である。
|
| Causes of Carryover |
研究協力校の再選定の必要が生じたため，そのれにともないアセスメント，教材作成，調査に関わる謝金などの費用の使用が持ち越しとなったため。
アメリカ視察のための旅費，UDL-IRNへの旅費，参加費が，研究代表者の所属変更により延期となったため。
|
| Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査フィールドへの旅費。実践のためのアセスメントのための尺度などの購入，調査費用，調査データ分析のための謝金。アメリカ視察のための旅費，UDL-IRNへの参加・報告のための旅費と参加費。研究成果を広く公表するためのリーフレット印刷代，ウェブサイト作成のための費用。
|
| Remarks |
研究会情報，研究成果などについては随時フェイスブックで更新して，公表している。
|
Research Products
(7 results)
