2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K17431
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
本田 光裕 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50749504)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | UV plasmonics / laser ablation in liquid / poor metals / gas sensing |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、紫外域にプラズモン特性を持つ卑金属ナノ粒子を液中レーザーアブレーション(Laser Ablation in Liquid, LAL)により作製すること、及び紫外プラズモニクスを用いた高感度ガスセンサーを実現することである。初年度においては、様々な有機溶剤(クロロホルム、四塩化炭素、トルエン、ヘキサン)と卑金属の組み合わせを用いてLALの実験を行い、作製された粒子の形状、表面化学結合状態、プラズモン共鳴波長をそれぞれ透過型電子顕微鏡、X線光電子分光、紫外可視吸光度計測により観察することで粒子合成に適した溶媒種の選定を行った。また、Discrete Dipole Approximation (DDA)法により、様々なサイズの卑金属粒子のプラズモン共鳴波長の数値計算による算出を行った。粒子作製及び数値計算と並行して、ガスセンサーの設計及び試作を行った。 有機溶剤としてクロロホルムと四塩化炭素を用いた時に比較的良好な金属粒子が観察され、紫外域での吸収ピークが確認された。実験により得られた紫外域での吸収ピーク波長がDDA法により求めたプラズモン共鳴波長の値とほぼ一致していることから、紫外域にプラズモン共鳴波長を持つ卑金属ナノ粒子が作製されたと結論づけた。実験により得られたプラズモン共鳴波長は、アルミニウムナノ粒子で250 ~ 270 nm、亜鉛ナノ粒子で240 nm ~ 260 nmであった。得られた粒子の直径は、アルミニウムと亜鉛ナノ粒子両方とも30 ~ 50 nmだった。作製された粒子中には、溶媒由来の塩素の混入が確認されており、溶媒の選定には改善の余地がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2015年10月1日に東海大学 創造科学技術研究機構から名古屋工業大学 機能工学専攻へと異動し、研究環境の整備から行う必要があったため研究の遂行にやや遅れが生じた。ナノ粒子の作製やガスセンサーの設計・構築など本研究の要所は順調に遂行されており、遅れの生じた研究計画の立て直しは可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
液相レーザーアブレーションにより作製された粒子の純度を向上させるために、溶媒種の再選定、または、フェムト秒パルスなどのパルス幅の小さいレーザーを用いて粒子作製を行う。同時に、現在作製されている粒子を用いてガスセンシングを行い、構築したガスセンシングシステムの評価を行う。現在作製されている粒子にはクロロホルム由来の塩素が含まれている。これは、使用している溶媒分子がレーザー照射により発生する熱またはプラズマにより分解されることで金属粒子中に溶媒種由来の元素が混入すると考えている。有機溶剤よりも分解されにくいイオン液体を用いて粒子作製を行うことを検討している。また、熱の影響を抑えるために、ミリ秒パルスではなくフェムト秒パルスを用いて粒子作製を行う予定である。
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