2017 Fiscal Year Annual Research Report
Bond state selective synthesis of doped-graphene
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15K17446
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡田 健 東北大学, 流体科学研究所, 助教 (90616385)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | グラフェン / ドーピング / 窒化 |
Outline of Annual Research Achievements |
グラフェンは炭素6員環構造からなる1原子層の厚さを持つ物質であり、電気・熱伝導性、光透過率、機械特性などにおいて特徴的な性質を示す物質である。そのため、トランジスタなどの電子デバイス応用をはじめ、透明電極、燃料電池触媒など幅広い応用が期待されており、課題はドーピングやエッジ・界面制御であるとされている。 本研究ではエネルギーを制御したドーパント種の照射(中性粒子ビーム)によってグラフェンへの精密ドーピング技術の確立を目的とした。様々な応用が期待されているグラフェンのドーピングを原子レベルで構造制御することで最大の効果をもたらすナノ構造形成を目的とした。グラフェンの任意の場所(エッジ、面内)に、ドーパントを特定の状態(単結合、二重結合、欠陥の有無、終端など)で選択的に付加することで従来よりもより効果的な機能化が可能になると期待できる。本研究で提案するグラフェンの精密ドーピング技術は、従来のドーピング濃度・分布制御とは異なり、原子レベルでドーパント分子の結合位置・状態を制御することによって最も効果的な機能性をグラフェンに持たせるものでありグラフェンの実用化に大きく貢献するものと期待できる。 照射する窒素ビームのエネルギーを2~15eVの間で精密に制御することでCN単結合、二重結合の選択形成に成功した。また、ドーパント位置は窒化部位の化学的活性に依存し、エッジおよび面内の位置選択性を持たせることに成功した。また、窒化グラフェンの性能評価として、燃料電池の基本反応である酸素還元反応について触媒能評価を行い、置換型窒素構造が高い触媒能を示すことが明らかになった。さらに、フッ化、水素化についても同様に検討を行い、照射するビームエネルギーに依存するドーピングはドーパント種に依らず、結合形成に過不足ないエネルギーを与えることが重要であることを実験的に明らかにした。
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Research Products
(10 results)