2017 Fiscal Year Annual Research Report
A THz beam steering device using tunable MEMS metamaterials
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15K17452
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
磯崎 瑛宏 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任研究員 (10732555)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | MEMS / メタマテリアル / テラヘルツ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、テラヘルツ領域の小型ビームステアリング素子を実現することにより、テラヘルツ光学系の小型化を図ることを目的としていた。平成29年度においては、これまで試作してきたメタマテリアルの大面積化に伴い出てくる課題に関する定量評価を実験・シミュレーションの両面から行った。 本研究で提案・試作してきたデバイスの特徴は300nmの非常に薄いシリコン膜の上に可変メタマテリアル構造が多数配置されていることにある。デバイスの基礎検討に置いては、ごくわずかな領域のメタマテリアルが機能すればよかったので、例えば3mm角のデバイスを作製し、検討することができた。しかしながら、本研究課題の目的である、テラヘルツ光学系の素子の一部として用いることを考えると、デバイスの巨大化は必須の課題となる。そこで、本年度は、微小シリコンフレームを3mmごとに配置して、メタマテリアルを作製することにより、デバイスの巨大化を試みて、そのデバイスの機能を定量的に評価した。 試作したメタマテリアル素子を用いて、テラヘルツ光の透過特性を評価すると、基礎検討時の動作とは明らかに異なる応答を示した。このことから、微小シリコンフレームの影響を実験及びシミュレーションにより詳細に調べた。その結果、微小シリコンフレームが導波路のように働いていることを示唆する結果を得た。さらなる検討のため、導波路モードを解析的に計算してみると、実験結果およびシミュレーション結果とぴったり一致した。このことにより、デバイスの巨大化における知見を得ることができた。 これらの検討は、新規デバイス開発に比べて非常に地味なものであったが、重要な知見であると高く評価され、電気学会論文誌に採択(2018年7月掲載予定)され、さらに、第34回「センサ・マイクロマシンと応用システム」シンポジウムにてポスター賞を受賞した。
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