2016 Fiscal Year Annual Research Report
Relationship between solvation structures and functionalities of proteins in ionic liquids
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15K17467
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
梅田 健一 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特別研究員 (60746915)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 3次元周波数変調型原子間力顕微鏡 / イオン液体 / 溶媒和構造 / 分子動力学計算 / 密度汎関数法 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、市販の装置に改良を行った超低雑音の液中動作3D-FM-AFMを用いて、イオン液体水溶液中において、生体試料表面上に形成された溶媒和構造可視化機構の解明を目的としている。
これまでイオン液体中におけるAFMの実験結果に関する報告例はあるが、3次元的な構造を可視化した内容は存在しない。またバルク溶液中の理論計算結果の報告例は多いが、表面上に形成された溶媒和構造を議論している報告例も少ない。前年度までの研究において、弱電解質水溶液中およびイオン液体水溶液中において、3次元溶媒和構造の可視化に成功しており、表面電荷と溶媒和構造の相関に関して知見を得ることができた。
今年度は、更に効率的に3次元計測を可能とするための計測および解析プログラムの開発を行った。また、共同研究先であるフィンランドの理論グループから分子動力学計算による二つの異なった帯電表面の境界近傍における水和構造のシミュレーション結果を得ることにも成功した。その他、京都大学の産官学連携本部の研究室との共同研究により、密度汎関数法を用いたイオン液体分子の電子状態最適化および分子動力学法を用いた水溶液中における溶媒和構造のシミュレーション結果を得ることにも成功し、3D-FM-AFMの実験結果に対応する理論計算データを得ることにも成功した。
実験と理論の比較から、プロトン性のイオン液体の場合には、水分子と水素結合ネットワークを形成するため、アニオンとカチオンが複数個合体した溶媒和クラスター構造を形成する。一方で、非プロトン性のイオン液体の場合には、このような構造は形成せず、アニオンとカチオンが分離して観察されることを明らかにした。
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