2015 Fiscal Year Annual Research Report
飛行時間測定と偏極ビーム利用による中性子線Talbot-Lau干渉計の高度化
Project/Area Number |
15K17493
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
關 義親 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (90585209)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 中性子 / 位相イメージング / Talbot-Lau干渉計 |
Outline of Annual Research Achievements |
3枚の回折格子を用いたTalbot-Lau干渉法は,従来の吸収コントラスト像(ラジオグラフィー)に加えて,微分位相コントラスト像,ビジビリティコントラスト像が一度に取得できる量子ビームイメージングの強力な手法である.本研究課題では中性子線Talbot-Lau干渉計を飛行時間分解測定による複数波長対応と偏極ビーム対応の2つのアプローチで高度化させ,新たな中性子イメージング技術を確立することを目指している.
今年度はJ-PARC 物質・生命科学実験施設 エネルギー分析型中性子イメージング装置 RADEN (BL22)において,準単色・非偏極中性子ビームによるTalbot-Lau干渉計の構築と複数波長対応の原理実証実験を行った.中性子線回折格子として,第1格子(吸収格子,周期180μm),第2格子(位相格子,周期8.6μm),第3格子(吸収格子,周期9.6μm)を製作し,ビームライン上に精密アラインメントした.このセットアップにおける最適波長5Åの中性子線を干渉計に入射させたところ,第2格子の回折像と第3格子によるモアレ縞が観察され,回折格子が機能していること,およびアラインメント条件が満たされていることが確認できた.続いて,数種類の金属ロッドをサンプルとしてTalbot-Lauイメージングを行うことにも成功した.さらに,同一セットアップで波長2.5,7.5Åの中性子線を用いてもモアレ縞が現れることを確認し,パルス中性子源で中性子Talbot-Lau干渉計の多色化が可能であることを示した.
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