2016 Fiscal Year Annual Research Report
High density superconducting array detector for high throughput X-ray spectroscopy
Project/Area Number |
15K17495
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
藤井 剛 国立研究開発法人産業技術総合研究所, ナノエレクトロニクス研究部門, 研究員 (30709598)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 超伝導トンネル接合 / X線検出器 / シリコン貫通電極 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、半導体X線検出器の約10倍のエネルギー分解能力を有する超伝導トンネル接合(STJ)アレイX線検出器の有感面積を大幅に拡大させるため、従来の10倍の素子数となる1000素子STJアレイX線検出器を開発する。平成27年度は、STJアレイ、埋め込み超伝導配線、シリコン貫通電極(TSV)を組み合わせた構造を設計し、超伝導体を埋め込んだTSVの作製を行った。平成28年度は、1024素子SJTアレイの開発(1)とTSVの開発(2)を行った。平成28年度のそれぞれの成果は以下のとおりである。 (1)埋め込み超伝導配線構造上に1024素子STJアレイを作製した。平坦化手法の改良により埋め込み配線上の平均自乗粗さを0.3nmまで減少させ、平均リーク電流12.2nAを実現した。この平均リーク電流は平均自乗粗さが0.6nmであった埋め込み超伝導配線構造上に作製した100素子STJアレイの平均リーク電流40nAの1/3程度であった。この成果の一部は、国際会議IWSSD2016において口頭発表を行い、現在論文にまとめているところである。 (2)平成28年度に作製したSnを埋め込んだTSVの低温特性を評価した。64本のTSVをNb配線で直列に接続したデバイスで、約3Kで超伝導転移することを確認した。臨界電流9nA@2.5K,180nA@0.3K、抵抗値4オームを示した。STJ向けとしては、十分な性能である。一方で、チップ内での歩留まりが25%であり、大規模アレイ用のTSVとしては不十分な性能であり、TSV上へのSTJアレイの作製には至らなかった。歩留まりの低下は、Snの埋め込みが難しいためであり、今後最適な埋め込み条件を検討する必要がある。 今後、TSVの歩留まり向上を行い、TSV上へのSTJアレイ検出器の作製を試みる。
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Research Products
(2 results)