2016 Fiscal Year Research-status Report
スパコン上で効率よく大規模連成解析を行うためのフレームワークの研究開発
Project/Area Number |
15K17499
|
Research Institution | Tokyo University of Science, Suwa |
Principal Investigator |
杉本 振一郎 諏訪東京理科大学, 工学部, 助教 (40451794)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 並列計算 / 連成解析 / 階層型領域分割法 |
Outline of Annual Research Achievements |
実現象の多くは構造,流体,熱伝導,電磁場などが相互関連する複合現象である.そのため,機器を設計・開発するにあたり複合現象を考慮した連成解析が重要になる.また,より高精度な解析を行うため大自由度モデルを用いたシミュレーションに対する需要が高まっている. しかし,すでに開発されている計算力学システムの中には数億自由度を超える解析を行えるものが存在し,京コンピュータなどで実績をあげているものの,それらのシステムのほとんどは非常に限られた現象の解析しかできない.一方,多機能な連成解析が可能なソフトウェアが市販されているが,これらは数千万自由度を超える解析ができないか実用的な時間で解が得られない,または導入に多大なコストを要するなど,高精度な連成解析を行うにはまだ問題がある.そこで本研究計画では,数千万~数十億自由度規模の連成解析を高い実行効率で行える連成解析フレームワークの研究開発を行い,連成解析の実証試験を行うことを目的としている. 今年度は東京大学情報基盤センターのスーパーコンピュータOakleaf-FXで汎用階層型領域分割法ライブラリを用いて300億自由度の精度検証モデルの解析,100億自由度の数値人体モデルの実用的な解析に成功し,本研究で研究開発している汎用階層型領域分割法ライブラリの高い性能を示した.また単一物理現象を効率よくつなげて連成解析を行うカプラ機能の研究開発も順調に進行した.来年度は本研究で研究開発したシステムを用いて連成解析の実証試験を行っていく.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
スーパーコンピュータ上で300億自由度の解析を行い,本研究で研究開発している汎用階層型領域分割法ライブラリの高い性能を示すことができた.また単一物理現象を効率よくつなげて連成解析を行うカプラ機能の研究開発も順調に進行している.
|
Strategy for Future Research Activity |
来年度は当初の計画どおり本研究で研究開発したシステムを用いて連成解析の実証試験を行っていく.
|
Causes of Carryover |
協力者との打合せを電子メールや遠隔会議システムなどで代替して旅費を抑えたため,残額が生じた.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
順調に成果が得られているので,成果発表のための論文投稿料や旅費に充てる.
|