2015 Fiscal Year Research-status Report
生物の形状を意図的に進化せることによる電気化学反応界面の新しい機能デザイン
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15K17500
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Research Institution | Tokyo University of Science, Suwa |
Principal Investigator |
須賀 一博 諏訪東京理科大学, 工学部, 助教 (30408992)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 電気化学 / 数値シミュレーション / バイオミメティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,多様な機能を実現する生物の形状を意図的に「進化」させることにより,電気化学界面の機能をデザインすることを目的としている.生物の形状を意図的に「進化」させて電気化学界面の機能をデザインするための基礎研究として位置付けて研究を進めている.①界面形状を工夫することで電気学反応速度を制御する点,②生物の特徴的な形を模倣するだけではなく,進化させることで界面形状の設計する点が主な特色である.本研究の成果として,①電気化学反応速度を制御するための界面形状をデザインするプラットフォームの提供,②界面形状によって電気化学反応速度を制御するための知見と方法論の獲得,が期待される. 平成27年度は,「特徴的な機能を有する形状から新たな形状を生成するアルゴリズムを開発」を行った.生物の特徴的な機能を有する界面形状を模擬した形状ファイル(stl形式)準備した.次に,いくつかの形状を頂点情報に基づいてブレンディングした.ブレンディングには,計算幾何学のブーリアン演算を用いる.オープンソースで利用できる3Dモデリングソフトと自作したプログラムを組合せることで実現した.さらに,「形状の持つ電気化学的特性を予測するための数値シミュレーション手法を開発」を行った.任意の複雑な幾何形状をした界面近傍の解析を行うために,埋め込み境界法を用いた.作成した手法を用いて,界面近傍の電気化学反応物質の分布の決定を試みた.今後は,その妥当性について検討を進める.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「形状の持つ電気化学的特性を予測するための数値シミュレーション手法を開発」は,反応物質の濃度分布を決定するシミュレーションと,その分布によって形成される電場の分布をシミュレーションを連成させる必要がある.個々のシミュレーション手法の開発は完了しているが,それらのシミュレーションを連成するためのプログラム開発中である.当初計画では,平成27年度中の完成を予定していた.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画より遅れている「形状の持つ電気化学的特性を予測するための数値シミュレーション手法を開発」を平成28年度の前期中に開発を完了する予定である.平成29年度に予定されている「開発したシミュレーション手法を用いた設計方法の検討」において,計算機を効率的に活用することでこの遅れを解消する. その他の研究課題については,当初の計画通り進める.
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Causes of Carryover |
国際出張および国内出張の経費を削減することができたため,旅費の支出を抑えることができた.物品購入として電極を作成するための3Dプリンターと,機能評価のための電気化学測定装置を予定していた.3Dプリンターの技術革新のスピードが激しいため,購入にタイミングを遅らせてできる限り最新の製品を購入できるようにした.また,交付額の減額のため購入が難しい電気化学測定装置は,購入していない. 以上の理由から,次年度使用額が発生した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度繰越し額は,3Dプリンター購入のための物品費および成果発表のための旅費等に適宜配分して利用する.
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