2020 Fiscal Year Research-status Report
単項式イデアルや二項式イデアルの極小自由分解及びその不変量
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15K17507
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
木村 杏子 静岡大学, 理学部, 准教授 (60572633)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | エッジイデアル / ベッチ数 / Cameron--Walker グラフ / regularity / depth / Krull次元 / $h$-多項式 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度に日比孝之氏、松田一徳氏、Adam Van Tuyl氏との共同研究により、エッジイデアルの剰余環の regularity と $h$-多項式の次数のペアの集合に関する結果を得たが、当該年度には菅野裕樹氏を加えた共同研究により、エッジイデアルの剰余環の depth や Krull 次元を含めた関係について考察した。その結果、グラフの頂点数を固定した際のこれらの不変量の取りうるペアの集合を整凸多面体で挟むことができた。特に、Cameron--Walker グラフの場合には、この集合を決定することができた。さらに、Cameron--Walker グラフの場合、グラフの頂点数を固定した際の、depth、Krull 次元、regularity、$h$-多項式の次数の取りうる列全体の集合をも決定することができた。これらの結果は、論文として取りまとめ、Transactions of the American Mathematical Society への掲載が決定した。 上記の研究は、本研究課題の目的の一つであるエッジイデアルのベッチ数の特徴づけの一環である。さらに、この目的に関するこれまでの結果を第65回代数学シンポジウムにて発表する機会を得た。なお、コロナ禍のため、報告集の作成のみ行った。 また、辺に重みをつけたエッジイデアルの研究を、柴田孝祐氏、寺井直樹氏と共同で行った。Cameron--Walker グラフの重み付きエッジイデアルの Cohen--Macaulay 性と unmixed 性との同値性について考察し、重みに、ある条件を課したとき、これらが同値になることを示した。証明には Lyubeznik resolution の長さが算術階数の上限となることを用いた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
少しずつ研究成果は出ているものの、本研究課題の根幹となる算術階数の研究について、まだ成果が得られていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
重み付きエッジイデアルについて得られた結果を論文として取りまとめる。それとともに、本研究課題の根幹となる算術階数の研究について、極小自由分解を構成しながら考察を深める。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により、研究集会が中止となったりオンライン開催となった。そのため、旅費が全く使用できず、次年度使用額が生じた。 使用計画については、次年度研究集会が開催されれば、その旅費として使用する。
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