2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K17521
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
大橋 久範 東京理科大学, 理工学部数学科, 講師 (40547006)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | エンリケス曲面 / K3曲面 / モジュライ |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、アメリカでの研究集会に参加し(algebraic geometry 2015, University of Utah, 7月)、ドイツでセミナー講演を行った(Research seminar on arithmetic algebric geometry, Leibniz universitaet Hannover、9月)。11月にも、これまでに得られた成果についてドイツのOberwolfach研究所で講演した(この時の旅費は大学から出して頂いた)。 電子的な公表でとどまっていた論文「Rationality of the moduli spaces of Eisenstein K3 surfaces (with S. Ma, S. Taki)」が出版された。 非特異有理曲線の配置の観点からType IIと呼ばれている、有限自己同型群を持つようなエンリケス曲面の一次元族について精密な記述が得られた。特に、新しい射影モデルとなる6次曲面表示が得られた。ここには自己同型群が線型に作用し、この観点から最も自然なモデルと言っていいように思う。そのモジュライ空間についても、過去に行われた研究と比較した結果、モノドロミー群が保型関数論でよく知られた合同部分群と一致していることがわかり、この帰結として対応する楕円モジュラー曲面がエンリケス曲面の二次ツイスト(quadratic twist)構造、楕円曲線束、モジュライ曲線に繰り返し現れるという一面を理解した。論文の形にしようと思っているがまだまとまっていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自己同型の全体像の把握や周辺分野への応用の研究は順調に進展していると考えられる。研究集会やセミナーでの講演でのディスカッションも多くできていると思う。
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Strategy for Future Research Activity |
もともと周辺分野との密なつながりが魅力的な分野ではあるが、散らかりすぎないよう、内容を論文としてまとめるほうに注力したい。
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Causes of Carryover |
大まかな見積もりはあったものの、実使用額が少しだけ少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
必要な物品費、また研究の進展のための打ち合わせや研究成果の発表のために使いたい。
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Research Products
(8 results)