2018 Fiscal Year Annual Research Report
Vojta's conjecture, integral points on algebraic varieties, and arithmetic dynamics
Project/Area Number |
15K17522
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
安福 悠 日本大学, 理工学部, 准教授 (00585044)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | Vojta予想 / 数論的力学系 / 整数点 / アフィン代数幾何 |
Outline of Annual Research Achievements |
30年度は,研究協力者のJulie Wang氏 (台湾中央研究院)との共同研究,及び研究協力者Aaron Levin氏 (ミシガン州立大)・Thomas Tucker氏 (ロチェスター大)との共同研究を進めた.どちらの研究も論文を執筆中であり,本研究の研究成果として残せるよう査読付き雑誌に投稿予定である.具体的には,Wang氏との研究で,乗法群の積における最大公約数に関してLevin氏が得た不等式を,より一般の代数多様体へ拡張した.これには,McKinnon-RothやRu-Vojtaにより近年提唱されたディオファントス近似に関する不変量の理論が使われている.Levin氏・Tucker氏との共同研究では,2パラメタ―軌道の上にある整数点が有限個である,と言及できる条件を見つけ出した.これはCorvaja-Sookdeo-Tucker-Zannierの論文を拡張している.この研究では,アフィン代数幾何の理論や,モデル理論を活用したMedvedev-Scanlonの結果などにより近年急速に進展した不変部分代数多様体の分類理論を応用している.
また,30年度には,熊本大学での国際研究集会での講演のように,最新の研究成果を発表する機会のほかにも,日本数学会秋季総合分科会企画特別講演・所属大学に於ける学術賞受賞講演のように他分野の先生や学生の前で数論的力学系やディオファントス幾何全般について概説する機会や,京都大学数理解析研究所・大阪市立大学に於ける国際研究集会のように整数論や力学系の専門家向けに数論的力学系について概説する機会にも恵まれた.結果として本研究全般やその背景に関して広く周知することができ,関連分野の更なる国内外の発展に貢献できたと考える.
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