2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K17524
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| Research Institution | Osaka University of Health and Sport Sciences |
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Principal Investigator |
佐々木 義卓 大阪体育大学, 体育学部, 准教授 (20548771)
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2015-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | Mahler測度 / 多重ポリログ関数 / 多重L関数 / 多重Bernoulli数 / ロンサム行列 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
Mahler測度は多項式に対して定まる実数であり、整数論だけでなく多くの分野と関係する。本研究は、Rodriguez-Villegasによって予想されたMahler測度と保型L関数の特殊値との関係や、黒川・Lalin・落合によって近年導入された多重Mahler測度とL関数、多重L関数の特殊値との関係といった、Mahler測度とL関数の特殊値の関係の解明を目指している。今年度は、多重Mahler測度を計算する際に重要な役割を持つ多重ポリログ関数の基礎研究に焦点を当てた。楠氏・中村氏との共同研究において、一般調和数を補完する関数を用いた留数解析によって、2重ポリログ関数の明示的な解析接続を与えた。また、その応用として、2重ポリログ関数の関数関係式やBorwein等によって導入された多重Clausen関数、多重Glaishers関数の明示式を与えた。今後は、得られた2重ポリログ関数の関数関係式を応用して多重Mahler測度を計算し、多重Mahler測度と多重L関数の特殊値との関係解明を図る予定である。大野氏との共同研究においては、多重Bernoulli数の新たな漸化式を示した。多重Bernoulli数は多重ポリログ関数を用いてBernoulli数を拡張したものであり、整数論、多重ゼータ値、組み合わせ論など多くの分野と関係する。また、新たに得た漸化式を応用して、ロンサム行列の個数の数え上げに関する漸化式も得た。さらに、多重Bernoulli数の拡張である一般多重Bernoulli多項式においても、同種の漸化式が成り立つことも示した。これらの研究成果の一部を日本数学会や応用数学合同研究集会等で講演した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Mahler測度とL関数の特殊値の関係に関するRodriguez-Villegasの予想や多重Mahler測度とL関数の特殊値の関係について、ポリログ関数・多重ポリログ関数を用いたアプローチを計画していた。今年度はその準備としてポリログ関数・多重ポリログ関数の関数関係式に関する研究に従事し、２重ポリログ関数の明示的な解析接続を与えた。これはポリログ関数と２重ポリログ関数を繋ぐ関係式であり、Mahler測度および多重Mahler測度の計算に応用可能な多重ポリログ関数の情報が整備されている状況である。また、多重ポリログ関数を用いたBernoulli数の拡張である多重Bernoulli数の新たな漸化式を得た。今後、この漸化式を用いて、古典的なBernoulli数の数論的性質の解明にアプローチする予定である。
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| Strategy for Future Research Activity |
今年度は2重ポリログ関数の関数関係式や多重Bernoulli数の漸化式を得た。2重ポリログ関数の関数関係式は、多重Mahler測度の計算、特に多重Mahler測度とL関数・多重L関数の特殊値との関係解明の研究においては、不可欠なツールと言える。今年度に得た関数関係式を応用して、多重Mahler測度の計算を進めていく計画である。Mahler測度と保型L関数の特殊値との関係に関するRodriguez-Villegasの予想の研究においては、ポリログ関数を応用するアプローチと2重保型L関数の特殊値と保型L関数の特殊値との関係を応用するアプローチを計画している。今年度はポリログ関数の研究に注力したが、次年度はそれを実際に応用した研究を進めたいと考えている。また、2重保型L関数の特殊値の解析においては、付随する保型形式の情報をより深める必要がある。当該保型形式が属する空間の構造の観点から解析を進めていく。
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Research Products
(7 results)
