2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study on unramified cohomology and algebraic surfaces over arithmetic fields of higher dimension
Project/Area Number |
15K17526
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
植松 哲也 名城大学, 理工学部, 助教 (60735132)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | Brauer 群 / 不分岐コホモロジー / 対角的3次曲面 / 対角的3次曲線 / 3次形式 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は対角的な方程式で定義される多様体の Brauer 群, より一般に不分岐コホモロジー群と呼ばれる不変量について, その具体的な構造を調べ, 幾何や整数論への応用を目指すものである. 平成29年度の研究においては, 4変数3次形式から定まる多様体である対角的3次曲面だけでなく, より少ない変数の3次形式にも焦点を当てて研究を進めた. これは2次形式の理論において, 部分形式を調べることが重要であったり, また, 1-Pfister 形式のような原始的な形式が, 基本的な役割を果たしていることからみても, 意味のある考察であると考えられる. 対角的な3変数3次形式から定まる多様体, すなわち対角的3次曲線のうちで, 最も単純な場合である全ての係数が1の 3次 Fermat 曲線 C を考察の対象とした. 曲線 C の2次不分岐コホモロジー群, つまり, Brauer 群を G とする. このとき, 得られた結果は, G の3-ねじれ部分群の生成元を明示的なシンボルとして求めることができた, というものである. この結果を Manin による対角的3次曲面の Brauer 群に関する結果と比較することで, 群 G の3-ねじれ部分群のすべての元が, 曲線 C を閉部分多様体として含むようなあるクラスの対角的3次曲面の Brauer 群に由来するものであることが観察できた. 本研究期間終了後も, 3次 Fermat 曲線 C だけでなく, 一般の対角的3次曲線の Brauer 群に対して, 継続して研究を行い, 論文として成果を発表する予定である. 対角的曲面に対する3次以上の不分岐コホモロジー群の明示的な計算や構造決定については, 今年度も形ある成果をあげることはできなかった.
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Research Products
(4 results)