2015 Fiscal Year Research-status Report
非可分無限次元多様体と写像空間、冪空間の位相に関する研究
Project/Area Number |
15K17530
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
越野 克久 神奈川大学, 工学部, 非常勤講師 (60749521)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 無限次元多様体 / LF-多様体 / 写像空間 / 冪空間 |
Outline of Annual Research Achievements |
無限次元多様体論は、写像空間や冪空間の位相構造の研究とともに発展してきたが、非可分無限次元多様体に関しては未解明の点が多い。本研究の目的は、非可分LF-多様体や写像空間、冪空間の位相幾何学的な構造と性質を解明して、非可分無限次元多様体の理論を充実させることである。 距離付け可能空間Xの空でないコンパクト部分集合からなる冪空間にVietoris位相を導入したComp(X)と、空でない有限部分集合からなる冪空間Fin(X)の位相型に関する研究を行った。D.W. CurtisやN.T. Nhuらの研究によって、Comp(X)が可分ヒルベルト空間l2(ω)と、Fin(X)がl2(ω)の標準正規直交基底で張られる部分空間l2f(ω)と、それぞれ同相になるための必要十分条件が与えられたが、本研究ではそれらを非可分の場合も含めて一般化した。 実際に、Fin(X)が稠密度κを持つl2f(κ)と同相であるための必要十分条件は、Xが連結、局所道連結、可算局所コンパクト、強可算次元距離付け可能空間で、その空でない開集合の稠密度がκに等しいということを示し、論文にまとめ投稿した(審査中)。また、Comp(X)が稠密度κを持つヒルベルト空間l2(κ)と同相になるための必要十分条件が、Xが連結、局所連結、完備距離付け可能であり、任意の点でコンパクト近傍を持たず、空でない開集合の稠密度がκに等しいということを証明した。さらに、距離付け可能空間Xとその完備化Yに対して、冪空間組(Comp(Y),Fin(X))が空間組(l2(κ),l2f(κ))と同相になるための同値条件も与えた。これらの結果についても論文にまとめ、国際学術雑誌に掲載が受理された。また、国内外の学会、国際会議、研究集会において、その研究成果を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目標であった、冪空間から非可分無限次元多様体の具体例を得ることに成功した。一方、LF-多様体に関する研究については考察中であるが、特筆すべき成果は得られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
非可分LF-多様体の研究については、非可分ヒルベルト空間l2(κ)とユークリッド空間の増大列の帰納極限R∞の積空間l2(κ)×R∞をモデルとする多様体について引き続き研究を進めていき、その単体分割定理と開埋蔵定理の解明を目指す。 写像空間に関しては、連続写像空間やその部分空間から、非可分ヒルベルト空間やその部分空間を見出すことを目標に、冪空間の研究で得られた知見を活かして研究を推進していく。
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Causes of Carryover |
国際会議出席のための海外旅費を確保するため、物品等の購入を抑えた結果、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当該年度に購入予定であった図書等の購入に充てる。
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Research Products
(6 results)