2018 Fiscal Year Research-status Report
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15K17533
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| Research Institution | Osaka University |
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Principal Investigator |
糟谷 久矢 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (80712611)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | 佐々木多様体 / 調和計量 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
今年度は佐々木多様体上においての非可換ホッジ分解について研究を行なった。Tata基礎研究所（インド、ムンバイ)のIndranil Biswas氏との共同研究によって、佐々木多様体の半単純平坦ベクトル束の調和計量について佐々木多様体の標準的な横断的ケーラーFoliationに関わる重要な性質を,Tanaka-Webster接続と呼ばれるCR幾何学的な手法を用いて示すことに成功した。これは非ケーラー多様体である佐々木多様体において、ケーラー多様体同様に非可換ホッジ理論が展開できるという点とケーラー多様体では見られない新現象が見出される両面から重要な結果である。
また、前年度に引き続きMixed Hodge structureの変動に関する研究を行なった。前年度において確立したMixed Hodge structureの変動の基点を用いず軽量による構成法の精密化を行なった。その結果、本構成法がカテゴリーのレベルで同値なものであることがわかった。さらに基点を用いいる既存の構成法との関連性が明らかになった。これによって横断的ケーラーFoliation上の軌道空間のような基本群が定義できないような状況においてもMixed Hodge structureの変動を理解する理論が構築できるようになった。これによってMixed Hodge structureの変動のカテゴリー上の構造論に新しい視点が生まれた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
実際に佐々木多様体のような非ケーラー多様体上で非可換ホッジ理論が構築できつつある点が本来目指すところの達成と言える。それ以外にもMixed Hodge structureの変動に関する部分において理論の一応用例にとどまらず新理論として確立されようとしている点に当初の計画以上の進展があると言える。
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| Strategy for Future Research Activity |
佐々木多様体上でHiggsバンドルに関するKobayashi-Hitchin対応について考察をする。特に佐々木多様体上のStableなHiggsバンドルとはどのように定められるべきであろうかという点を研究する。また、これらの理論を佐々木多様体よりも弱い条件であるStrongly pseudo-convex CR多様体上の理論に拡張する。
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| Causes of Carryover |
諸事情により参加を予定していた研究会への参加を取りやめた。
次年度に共同研究を進めている研究者の来日が予定されているのでその旅費の補助に用いる予定。
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