2017 Fiscal Year Research-status Report
2重調和写像・2重調和部分多様体の分類問題の研究とその応用
Project/Area Number |
15K17542
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
前田 瞬 島根大学, 総合理工学研究科, 講師 (00709644)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 2重調和部分多様体 / 2重調和写像 / Chen予想 / BMO予想 / Yamabe soliton / Ricci soliton / アインシュタイン多様体 / 平均曲率 |
Outline of Annual Research Achievements |
現時点での研究結果は以下の通りである: Ye-Lin Ou 教授との共同研究により以下の研究結果を得た。 (1)空間形内のアインシュタイン超曲面が2重調和であるための必要十分条件は(a)極小もしくは(b)第2基本形式のノルムの2乗がある定数となることである。この系として次を得た。(2)ユークリッド空間及び双曲空間内の2重調和アインシュタイン超曲面は極小である。 また,球面内のコンパクトな2重調和部分多様体についてはスカラー曲率一定のもの次の結果を得た。(3)球面内のコンパクトかつスカラー曲率一定な2重調和部分超曲面は(a)極小,もしくは(b)平均曲率が一定でありかつ,第2基本形式のノルムの2乗がある定数となる。(4)アインシュタイン定数がドメインの次元以下となるアインシュタイン多様体内のコンパクトアインシュタイン超曲面が2重調和となる必要十分条件は(a)極小もしくは(b)第2基本形式のノルムの2乗がある定数となることである。(5)非正曲率を持つアインシュタイン多様体内のコンパクトかつスカラー曲率一定な2重調和部分超曲面は以下の場合極小。(a)ある有限のp>2に対して,平均曲率の勾配のノルムがLp空間に含まれる。(b)平均曲率の勾配のノルムがL2空間に含まれるかつリッチ曲率が下から距離関数の2乗により抑えられている。その系として次を得た。(6)ユークリッド空間内のスカラー曲率一定な完備2重調和超曲面であり,ある(5)の(a)の条件を満たせば極小。 以上の研究はChen予想及びBMO予想の肯定的部分的解決である。 更に,Yamabe soliton 及び Ricci soliton 及びそれらの性質を持つ部分多様体の研究を行い,非存在定理を示した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り,Chen予想及びBMO予想の部分的肯定的解決ができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
アインシュタイン多様体内の2重調和部分多様体の結果をより一般のRicci soliton へ拡張する。また,Ye-Lin Ou教授との共同研究を行い,予想に対してアプローチを行う。
|
Causes of Carryover |
現在,米国で研究中であるが,周辺に公共交通機関がなく,予定していた研究集会に参加できなかったため。PC周辺機器もしくは旅費として使用する。
|