2018 Fiscal Year Research-status Report
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15K17567
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
佐藤 洋平 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (00465387)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 楕円型偏微分方程式 / 変分法 / 無限個解 / ポテンシャル関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
2次元以上のユークリッド空間上定義された無限遠で定数に漸近するポテンシャル関数をもつ楕円型方程式について研究をした。非線形項がべき乗項の場合には、Cerami-Devillanova-Soliminiが無限個解の存在を証明していたが、今回、非線形項の値が0に近いときと非線形の値が大きいときにだけ仮定をする一般的な非線形項のときに無限個解の存在を証明した。この研究は柴田将敬氏との共同研究であり以下の論文として発表した。 「Infinitely many solutions for a nonlinear Schr\"odinger equation with general nonlinearity, Calculus of Variations and Partial Differential Equations, 57 (2018)」 さらに空間1次元の場合にポテンシャル関数の形状によっては非自明解が存在しないことも証明した。この結果は空間2次元以上のときは無限個解が存在するという前結果と対称的で興味深い。この研究は以下の論文として発表した。 「The existence and non-existence of solutions for the nonlinear Schrodinger equation in one dimension, Nonlinear Analysis: Real World Applications,43 (2018) 477-494 2018」 また無限に強い相互作用項をもつ連立非線形シュレディンガー方程式について、ポテンシャル関数が0に接する場合にポテンシャル関数の極小点の近くにピークを持つようなピーク解に関しても研究成果を得た。これは東北師範大学のXiaojun Chang氏との共同研究であり、その結果は論文としてまとめ現在投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
無限遠で定数に漸近するポテンシャル関数をもつ楕円型偏微分方程式の解の存在問題について2つの論文として発表できたため。また無限に強い引力効果をもつ非線形シュレディンガー方程式のピーク解についても結果を得られたため。 しかし昨年の課題として挙げた3つの楕円型方程式から成る連立楕円型方程式において、相互作用の項に引力的な項と斥力的な項が混じっている場合に、球対称関数に制限したエネルギー最小解の形状の研究は、他の研究者に先を越されてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
3つの楕円型方程式から成る連立楕円型方程式において、相互作用の項に引力的な項と斥力的な項が混じっている場合に、符号変化解の解構造について研究を行う。単独の方程式の場合、符号変化解の存在の研究は、Nehari集合を用いる手法と方程式に対応する汎関数がもつ群作用に関する対称性を利用する手法がある。最近の計算結果から、3つの楕円型方程式から成る連立楕円型方程式で相互作用の項に引力的な項と斥力的な項が混じっている場合においては、成分関数によって、一方の手法だけが上手く適用できそうだといことが分かってきた。この研究はZhi-Qiang Wang教授との共同研究をして行う。
また無限遠で定数に漸近するポテンシャル関数をもつ楕円型方程式の無限個解の存在を、一般的な非線形項に対して証明したときに用いた手法は、十分大きい有界領域上で定義された楕円型方程式の無限個解の存在を、一般的な非線形項に対して証明するときにも応用できそうだと分かってきたため、その研究を行う。この研究は柴田将敬氏との共同研究として行う。
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Causes of Carryover |
(理由)30年度研究計画では、3つ楕円型方程式からなる連立偏微分方程式の相互作用の項に引力的な項と斥力的な項が混じっている場合に、球対称関数に制限したエネルギー最小解の研究を行いその研究成果を研究集会等で発表する予定であったが、他の研究者に先を越されてしまったため、未使用額が生じた。
(使用計画)3つ楕円型方程式からなる連立偏微分方程式の相互作用の項に引力的な項と斥力的な項が混じっている場合の符号変化解の研究をすすめ、日本数学会などの研究集会などでその研究成果を発表することし、未使用額はその経費に充てたい。
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Research Products
(6 results)