2021 Fiscal Year Research-status Report
ケラー・シーゲル・ナヴィエ・ストークス系の数学解析
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15K17578
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
石田 祥子 千葉大学, 大学院理学研究院, 助教 (60712057)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 解の安定化 |
Outline of Annual Research Achievements |
[具体的内容]生物の「走化性」とは化学物質の濃度勾配に沿って生物が特定の方向に移動する性質であり, 細胞生物学や臨床病理学において重要な役割を果たしている. ケラー・シーゲル系は, この走化性を記述する数理モデルである. 2007年には流体の運動を記述するナヴィエ・ストークス方程式との系が提唱され, 現在においても活発に研究が進んでいる. 本年度はこれらの系を包括する「質量保存則をもつ放物型方程式 (parabolic equations with divergence form)」に対する解の安定性について論文にまとめた (Calculus of Variations and Partial Differential Equations, published online April 2022).本研究成果は, 横田智巳氏 (東京理科大学)との共同研究である.またこの結果は第47回 発展方程式研究会にて報告している. [重要性]これまで報告されていたケラー・シーゲル系, 癌浸潤モデル, ケラー・シーゲル・ナヴィエ・ストークス系に対する解の安定化を統一した方法で求められるようになったため, 応用上重要な意味合いを持つ.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
解の安定化について論文にまとめ, 国際雑誌への掲載が決まった. この研究をさらに発展させ, より強い空間における解の収束を得るための新たな方法にも着手している. しかし, 解の爆発については研究が滞ってしまっている.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は解の安定化の研究を発展させたい. 具体的には, 解の収束の空間をより強い空間にすることと, より多くの方程式に適用可能なものにさせるために仮定を弱める事に注視したい.
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Causes of Carryover |
幹事として開催している国際研究集会「The 2nd InternationalWorkshop on Mathematical Analysis of Chemotaxis mini」がオンライン開催となり, 予定していた海外研究者の招聘が不要となったため.
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