2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K17583
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柳澤 大地 東京大学, 先端科学技術研究センター, 准教授 (70611292)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 数理工学 / モデル化 / 順序 / 群集運動 / 退出 / 待ち行列 |
Outline of Annual Research Achievements |
【1. 複数の出口がある居室からの退出の研究】複数の出口があるが、開いているのはそのうちの一つという状況の退出の研究を行った。開いている出口を知っているのは一部の人だけである。実際の人による実験を行うと、開いている出口を知っている被験者が増加すると総退出時間は減少するが、その効果には限界があり、ある一定割合以上知っている被験者が増加しても総退出時間は変化しなかった。 【2. サービス順序の研究】サービスが早い窓口と遅い窓口のサービスを連続して受ける待ち行列システムに関して、シミュレーションによって研究を行った。その結果、サービスが早い窓口のサービスを先に配置した方が、サービス時間が短くなることが分かった。さらに一部の結果ではシミュレーションだけでなく、解析的な式を導出することに成功した。この結果は、サービス窓口の配置の設計に非常に有用であると考えられる。 【3. 周期的に開閉するボトルネックの流量増加の研究】信号機のように周期的に開閉するボトルネックを通過する粒子の流量を増加させる方法を研究した。ボトルネック手前で停止し、長打の行列ができて発進が遅れるのを防ぐために、ボトルネックが閉まっている間は、ボトルネックに向かっている粒子を敢えて減速させて行列の発生を防ぐことにより、総流量を増加させられることが分かった。 【4. 避ける向きの自発的な統一】昨年度に続き、時計回りと反時計回りにサーキットを周回している複数の人がいるとき、右と左どちらに避けるようになるかシミュレーションを行った。その結果、サーキットの混み具合と記憶の忘却の早さによって、避ける方向が統一される領域と統一されない領域があることが分かった。さらに実際の人による実験を行い、避け方が統一されていく過程の実データを得た。今後はシミュレーション結果と実験データの比較検証を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【現在までの進捗状況】 【1. 複数の出口がある居室からの退出の研究】によって、退出順序と大いに関わりがある人が退出出口を選択する過程が明らかになって来ている。今年度は、この昨年度の実験結果をもとにした追加の実験を行う予定である。また【2. サービス順序の研究】と【3. 周期的に開閉するボトルネックの流量増加の研究】では、サービス順序と制御によって流れを改善する方法を提案することができた。さらに【4. 避ける向きの統一】は二年分の成果をまとめ論文を出版することができた。これらの成果を基にして、今年度はさらなる退出順序、サービス順序の研究を進めることができると考えられる。以上から、研究はおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
【今後の研究の推進方策 等】 7月頃に【1. 複数の出口がある居室からの退出の研究】と【2. サービス順序の研究】の実験を行う予定であり、これらの研究に必要な追加のデータを得られる予定である。さらにデータが不足した場合は、秋にも実験を行う予定である。関連する広い意味での群集運動の研究も積極的に進めており、これらの研究と融合させることにより、順序に焦点を当てた退出と待ち行列の研究が今年度完了する予定である。
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Causes of Carryover |
1年目に購入した機器で研究を進めることができたので、特に物品費の支出が少なめとなったため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は研究成果発表のため多くの学会・国際会議に参加する予定であるため、海外出張が増える予定である。そのため繰り越し分は旅費として使用予定である。また追加の実験費用として使用する可能性もある。
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Research Products
(25 results)
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[Journal Article] Inflow process of pedestrians to a confined space2016
Author(s)
Takahiro Ezaki, Kazumichi Ohtsuka, Mohcine Chraibi, Maik Boltes, Daichi Yanagisawa, Armin Seyfried, Andreas Schadschneider, and Katsuhiro Nishinari
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Journal Title
Collective Dynamics
Volume: 1
Pages: A4
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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