2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research on pedestrian dynamics focusing on egress and service sequence
Project/Area Number |
15K17583
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柳澤 大地 東京大学, 先端科学技術研究センター, 准教授 (70611292)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 数理工学 / モデル化 / 順序 / 群集運動 / 退出 / 待ち行列 |
Outline of Annual Research Achievements |
【体の回転を考慮したシミュレーションモデルの作成】多くの群集のシミュレーションモデルでは、人の体を楕円で表現しても、体の向きと歩く向きが常に一致しているため、体の回転による人の回避行動を再現することができない。そこで本研究では、体の向きと歩く向きが異なる状態を表現できるシミュレーションモデルを作成した。このモデルを用いて双方交流のシミュレーションを行うと、実際の実験による速度と密度の関係(基本図)を再現することができた。 【出口選択の研究】直線的な通路の端に二つの出口がある場合、群集は二つの出口をほぼ均等に使用するが、曲がり角を曲がった後に二つの出口がある場合、半分以上の群集が曲がり角からより離れた遠くの出口を選択することが実際の人による実験結果から分かった。申請者は、この原因は人の移動の慣性によるものだと考え、シミュレーションモデルに慣性の効果を導入したところ、実験結果をうまく再現することができた。 【歩行速度の不均一な群集の研究】歩行速度の不均一な群集について、歩行速度が均一な群集との差異を調べるための実験を行い、そのデータを解析した。既存研究では個々人の歩行速度は密度によって決定されることが示唆されていたものの、速度が不均一な群集においては密度の影響よりも周囲の人間の歩行速度の方がより大きく影響することが統計的分析によって明らかになった。また、不均一な群集では集団内部での密度の偏りや危険度が高くなることが明らかになった。 【車種混合交通の研究】新興国に見られる車種混合交通における、各車種(バイク、乗用車、トラック)の挙動を解析した。既往研究では、車種の並び順が渋滞しやすさに影響することが示唆されていたものの、各車種の詳細な挙動差や発生原因までは明らかにされていなかった。昨年度は特に、二台前の車種が自車に及ぼす影響を、モデルを用いて表すことに成功した。
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Research Products
(14 results)