2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K17584
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
畑 宏明 静岡大学, 教育学部, 准教授 (00609290)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 最適消費・投資問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
リスク志向的設定下の一般的な非線形確率ファクターモデルを用いた有限期間の最適消費問題に取り組んだ。一番の困難は関連する境界値問題の解のgradient評価を得ることであったが、偏微分方程式論で知られている別の局所的なgradient評価を用いることで解決した。もう一度、全体を一通り間違いがないか見直す予定である。この研究は、確率制御問題の解が存在する投資家のリスク回避度を表すパラメータの上限に興味を持つ確率制御、制御工学の研究者に非常に重要な情報を与えると考えている。
線形Gauss型確率ファクターモデルを用いた保険会社の最適投資問題に取り組んだ。関連する積分微分方程式から明示的な解を得ることができた。特にこの解は非斉次リッカチ方程式の解で特徴づけられることが分かった。今後、このリッカチ方程式の解の数値計算を安田和弘准教授(法政大学)と共にすることで、計算機を使った最適消費・投資問題に興味を持つ経済学や金融工学の研究者、金融実務家に少しでも刺激を与えるような研究にしたい。
平成27年度科学研究費助成事業交付申請書の平成28年度の研究実施計画の欄に記入したが、合法インサイダー取引をする大きな投資家に対するリスク鋭感的ポートフォリオ最適化問題に取り組んだ。一番の困難であった確率制御問題として定式化したときの状態過程のマルコフ性の証明に成功した。もう一度全体を見直して、論文編集する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第一目的である『リスク志向的設定下の一般的な非線形確率ファクターモデルを用いた有限期間の最適消費問題』と『線形Gauss型確率ファクターモデルを用いた保険会社の最適投資問題』について、前者は解決し、後者も数学的理論の部分で解決しているからである。
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Strategy for Future Research Activity |
線形 Gauss 型確率ファクターモデルを用いた保険会社の最適投資問題について、数学的に解析するだけでなく、最適戦略を特徴づける非斉次リッカチ方程式の解の数値計算を行う予定である。
一般的な非線形確率ファクターモデルを用いた保険会社の最適投資問題に取り組む予定である。まず、関連するHamilton-Jacobi-Bellman方程式を動的計画原理を用いて導出し、対応する境界値問題を解析することで解決を図る。
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Causes of Carryover |
許順吉教授(國立中央大學、中央研究院数學研究所(台湾))と研究打ち合わせをする出張のために使用する予定だったが、許教授の配慮により台湾での滞在費を支援して頂いたため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ノートPC(15~20万程度)の購入を予定している。また、安田和弘准教授(法政大学)との研究打ち合わせ(3,4回を予定している)のために使用するつもりである。
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Research Products
(5 results)