2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K17588
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
鈴木 聡 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 助教 (70580489)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 数理計画問題 / 準凸計画問題 / 応用数学 / 凸解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
準凸計画問題とは数理計画問題の一つであり、線形計画問題・凸計画問題では表現できない問題の解法を示すものとして近年大きな注目を集めている。一方、実用上の問題を数理モデル化する際には、状況把握の際に生じる測定誤差や将来予測の難しさ等に起因するモデルの不確実性が生じ、その対応は重要な課題となっている。本研究の目的は、不確実性を適切に捉え強固で安定的な解を得るための手法として、不確実性を持つ準凸計画問題に対するロバスト最適化を提案することである。ロバスト最適化に関する研究は、世界的に見ても線形計画問題・凸計画問題の範囲に終始しており、準凸計画問題に対する研究が望まれていた。このことを鑑み、当該年度においては次のような研究を行った。 ・不確実性を持つ準凸ベクトル値最適化問題に対するsurrogate型ロバスト双対定理の研究を行った。具体的にはベクトル値関数をスカラー化し、実数値計画問題に帰着させることによる解法を提案した。またベクトル値目的関数に対するロバスト対応として、集合値最適化の範疇に入るロバスト対応について研究し、その双対定理を提案した。 ・二種類のsurrogate双対定理に対して必要十分となるような制約想定を提案した。 ・共同研究者との意見交換、国内外の関連する研究者との研究打ち合わせを行い、研究を発展させた。また得られた結果は、研究集会等において発表を行い、本研究に対する意見を広く求めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の最も重要な部分である「不確実性を持つ準凸ベクトル値最適化問題に対するsurrogate型ロバスト双対定理に関する研究」が予定通りに達成できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通りに推進する。不確実性を持つ準凸ベクトル値最適化問題に関する研究を更に充実させると共に、得られた結果を用いて、共役関数を用いた双対定理と解集合の特徴付けに関する研究を行う。
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Causes of Carryover |
業務多忙及び受入先との調整がつかなかったことにより、長期間の研究打ち合わせが出来なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
1.数学専門書(数理計画法、関数解析学等)の購入に20万円を充てる。 2.国内での研究成果発表、研究打合せのための出張費として30万円を充てる。NAO-Asia2016、ICCOPT2016、数理解析研究所研究集会、日本数学会年会等の参加を予定している。 3.海外での研究打合せのために46万円を計画する。受け入れ先は現在調整中である。
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