2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K17593
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
阿部 俊弘 南山大学, 理工学部, 講師 (70580570)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | シリンダー上の分布 / 角度データ / 国際情報交換 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、理論面の研究として、(i) Circular Markov過程に関する研究を行った。この研究では、まずは先行研究のHolzmann et al.(2006)で与えられている円周自己相関関数の不具合を訂正し、さらに彼らの結果を一般化し、特別な場合として、正弦関数摂動分布族を用いた円周自己相関関数を与えた。また、時変の自己相関関数を持つMarkov過程の理論的定式化を議論し、風速時系列データに対する統計解析も行い、論文にまとめた。この研究はCM Statistics 2015でも研究発表した。 次に、(ii)Abe and Ley (under revision)の(Abe-Leyモデルとも呼ばれている)WeiSSVMモデルの数学的一般化を考案し、ベルギーのChristophe Ley博士の下でこの話題に関して打ち合わせを行った。滞在中、Adolphe Quetelet Seminar Seriesでも研究発表を行い提案モデルの数学的性質を議論した。また、CM Statistics 2015で招待講演を依頼されたので、この結果の一部を発表した。 応用面としては、以前行った樹木の倒壊方向の統計的モデリングの次の段階として、(iii) 既存の円柱分布族を用いて、樹冠の向きの定量化に関する研究をした。さらに角度分布の位置パラメータにある種の工夫をすることにより、太陽の影響を定量的に評価できるようなパラメータを導入し、太陽の影響と競合相手の影響の定量化を行い、データに潜む現象の解釈をした。この応用的研究に関しては、国際的に権威のある雑誌に掲載が確定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
データに潜む現象の解明と新しい研究手法を発展させ、理論面・応用面の双方で国際的に権威のある雑誌に論文が掲載されており、国際的な共同研究も順調に進行している。また、その後の研究手法の開発にも目途がついている。
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Strategy for Future Research Activity |
(i) 現在投稿中のCircular Markov過程を今後どのように発展させるかについて引き続き研究打ち合わせを行い、データ解析等も含めて発展させていく。 (ii)WeiSSVMモデルの数学的一般化の次の段階として、特別な場合についてどのようなモデルなら数学的性質が良いか、また、データに当てはまりが良いか議論する。 (iii)これまでの非対称分布を用いた新しい研究手法にも着手していく。
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