2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of MeV gamma-ray telescope with a wide field-of-view and low background for the determination of the origin of extra galactic diffuse gamma-rays
Project/Area Number |
15K17608
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高田 淳史 京都大学, 理学研究科, 助教 (90531468)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | MeVガンマ線天文学 / 放射線検出器 / ガス検出器 |
Outline of Annual Research Achievements |
数百keVから数MeVまでのMeVガンマ線帯域による、銀河系外からの拡散ガンマ線の起源を探るための広視野・低雑音なガンマ線望遠鏡の開発を行った。この望遠鏡はガス飛跡検出器と位置感度型シンチレータを組み合わせて構成される。 今年度は、気球搭載型MeVガンマ線望遠鏡の構造をGeant4を用いて最適化をはかり、システムの構築を行った。従来、シンチレータはガス検出器の容器の外側に設置してきたが、ガス容器内部に設置することで、これまで観測に使用できなかったMeV程度の運動エネルギーを持つコンプトン散乱反跳電子も捕らえることが可能となり、これまでよりもより広帯域で高い角度分解能と大きな有効面積を実現できることがシミュレーションから得られた。このシミュレーションの結果を基に、気球搭載型ガンマ線望遠鏡の設計を行った。 一方で、観測には、気球や人工衛星に搭載しての長時間の動作が求められるため、ガス飛跡検出器のガスの純度を長時間保つ必要がある。しかしガス容器内部に大量のシンチレータを設置することで、アウトガスが発生しガスの純度が悪化し、検出器の性能を大きく落とす可能性がある。このため、今年度は気球搭載用望遠鏡システムに組み込み可能な、ガス純化システムを開発し試験した。この結果、1週間に1度程度、純化システムを駆動するのみで、1か月半もの間、ガス交換なしで安定して動作し続けることに成功した。 今年度設計したガンマ線望遠鏡システムは、ガス純化システムを搭載し、オーストラリアでの2018年4月の気球実験に向けて、鋭意準備中である。この気球実験の観測によって、系外拡散ガンマ線の詳細なスペクトルを取得することを目指す。
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Research Products
(4 results)