2018 Fiscal Year Annual Research Report
Probing Black Hole Accretion in Low Luminosity AGNs using ALMA Polarimetry
Project/Area Number |
15K17619
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
永井 洋 国立天文台, アルマプロジェクト, 特任准教授 (00455198)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 活動銀河核 / ブラックホール降着流 / アルマ望遠鏡 / VLBI / 偏波観測 |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】本研究は、近傍の低光度AGNにおける質量降着流の性質を調べるべく、アルマ望遠鏡によるサブミリ波偏波観測によって、ファラデー回転の測定ならびにブラックホール質量降着率の推定を行う。理論的に予想される質量降着流モデルとの比較を行い、その実態に迫る。 【前年度までの成果】アルマ望遠鏡を用いて、全4エポックにわたって、近傍低光度AGNの代表であるCentaurus Aの観測を行った。予想に反して、偏波が検出されなかったものの、偏波率の上限値が0.1%という非常に強い制限を得ることができた。偏波率が非常に低いことの理由が、質量降着流に起因したファラデー消偏波だとすると、従来考えられてきた放射非効率な移流優勢円盤モデルの予測よりも高い降着率が実現されていることが示唆される。その一つの可能性として、移流優勢円盤と標準降着円盤の2種類の降着流が共存していることが考えられる。 この結果を他の天体でも検証すべく、新たにVLBI観測データを用いて、NGC1275の質量降着流を調べる研究を行った。データ解析の結果、NGC1275でも、単純な移流優勢円盤モデルでは説明不可能で、非一様な降着流が存在することを示唆する結果を得た。 【2018年度の研究概要】アルマデータの解析に慎重を要したため、当初2017年度で研究を終了させる予定だったところを、2018年度にまで継続した。これによって前年度までの成果を確実なものとすることができた。さらに、本研究と関連の深い国際研究会で、成果を発表することができた。 【関連実績】ブラックホール撮影に成功したイベントホライズンテレスコープの観測にはアルマ望遠鏡が重要な役割を果たした。アルマ望遠鏡の位相合成においては、本科研費による研究の推進で考察を深めた、アルマ偏波観測性能の評価が、深くいかされている。
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Research Products
(6 results)