2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study of proton-rich halo nuclei via magnetic moment
Project/Area Number |
15K17623
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
長江 大輔 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器研究センター, 協力研究員 (60455285)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 磁気モーメント / 符号 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は陽子ハロー構造が示唆されているリン同位体の基底準位磁気双極子モーメントの符号をβ-NMR法を応用して系統的に決定することで陽子ハロー構造の有無や核構造にせまることである。平成28年度の目標は昨年度整備した符号決定に必要な回転磁場発生装置を用いて、リン同位体の基底準位磁気双極子モーメントの符号を決定することであった。 β-NMR法を適用するに必要な核スピンが偏極したリン同位体の生成には偏極陽子ビームを用いた偏極移行を伴う核反応を用いる予定であったが、実験を予定していた筑波大加速器施設において偏極陽子ビームの供給に遅滞が発生した。本研究では偏極陽子ビームは重要な因子となることから早急な偏極陽子ビーム開発の必要性が生じ、その為にビーム開発を行った。筑波大加速器施設では偏極陽子ビームはラムシフト型偏極イオン源によって生成している。現状得られている偏極陽子ビームの偏極度はイオン源直後では約80%であったが、β-NMR法の装置がある焦点面では約45%であり、ビームの輸送過程において減偏極していることを示唆する結果となった。偏極陽子ビームの偏極度は目的とする原子核の偏極度に影響を与える為、減偏極の原因を調査が必要である。ビーム開発と並行して磁気双極子モーメントの符号測定に必要なβ線検出器の整備も行った。また目的とする原子核30PについてSi、SiO2標的を用いた陽子共鳴吸収反応による生成量、純度の調査を行った。SiO2標的が30Pの生成について生成量、純度の観点から有利であることが示唆された。当初予定していたようにリン同位体の基底準位磁気双極子モーメントの符号測定を実施することは叶わなかったが、今後実施するための整備がほぼ完了した。
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