2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study on non-perturbative effects in gauge theory and quantum gravity
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15K17643
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| Research Institution | Shizuoka University |
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Principal Investigator |
森田 健 静岡大学, 理学部, 講師 (40456752)
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2015-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | 超弦理論 / ブラックホール / 量子重力 / 量子色力学 / 原子核 / 行列模型 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主に3つの成果が得られた。
1) ゲージ・重力対応に基づく原子核の低エネルギー有効理論の研究: 量子色力学(QCD)から原子核のスペクトラムを得ることは一般に非常に難しく、格子ゲージ理論を用いた数値解析で、ごく一部がなされているに過ぎない。本研究では、QCDの低エネルギー有効理論としてゲージ・重力対応に基づく一次元行列量子力学を考察し、核子数が1から4までの原子核のスペクトラムの導出に成功した。また核子数が4より多くなった場合の定性的な性質の再現にも成功した。これはQCDから原子核のスペクトラムを導出する画期的な結果である。
2) ブラックホールの事象の地平線近傍における新現象の予言: ブラックホールが量子論的に蒸発を起こすことがHawkingによって予言された。本研究はこの予言における蒸発の効果が、事象の地平線近傍においてこれまで考えられているよりもずっと大きいことを指摘するものである。これにより、ブラックホールの蒸発過程に関するこれまでの理解が大きく変わる可能性がある。またブラックホールの量子論的な側面の解明という意味でも本研究の意義は深い。
3) 1次元ラージN行列模型の熱力学の研究: ブラックホールが蒸発を起こすと言うことから、ブラックホールの背後に熱・統計力学的な物理現象が存在すると考えられている。特にブラックホールの統計力学的な性質は、超弦理論を通して、1次元ラージN行列模型と呼ばれる模型で記述される可能性が示唆されている。本研究では、1次元ラージN行列模型の熱力学的な性質を統計力学に基づき解析した。そして1次元ラージN行列模型が状況によって負の比熱を持つことを解析的に示した。ブラックホールも負の比熱を持つことが知られており、本研究はブラックホールの熱力学的な性質を行列模型が再現できることを示唆する重要な成果である。
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Research Products
(14 results)
