2017 Fiscal Year Research-status Report
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15K17645
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松崎 真也 名古屋大学, 理学研究科, 特任助教 (20377956)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | LHC実験の新物理 / 質量の起源 / 複合ヒッグス模型 / 暗黒セクターの物理 / フレーバーの物理 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、研究実施計画に沿って質量の起源に関係する複合ヒッグス模型が予言するLHC実験におけるシグナル検証と、それに相関するフレーバー物理に対する予言に対して精力的に研究を推進した。また、前年度までの暗黒物質の物理だけでなく暗黒エネルギーの物理に関しての考察も広げ、より広範囲にわたる相補的な質量の起源探究に関する研究を展開した。 年度の前半では、主に前年度に提唱した(部分的な)複合ヒッグスシナリオを拡張し、フレーバー物理に対して感度の高いシナリオを考案し、そこで予言されるフレーバー構造を持つ新しい複合ベクトル粒子によって、現在報告されているB中間子の半レプトン崩壊過程に関する標準模型からのズレが説明できることを示し、学術論文としてまとめた(JHEP)。 年度の後半では、今までに無い新しい側面からの切り口として、暗黒エネルギーの物理に関しても言及できる新しい暗黒物質候補の宇宙史についての研究を進め、学術論文としてまとめた(Phys.Rev.D)。この宇宙史の初期条件にはスケール不変なシナリオが整合性が良いことが分かり、発展中の(部分的)複合ヒッグス模型のシナリオに埋め込むことで、より広範囲にわたる質量の起源に関する現象論的証拠を探索できることが明らかになった。 これらの成果に関連する内容を国内、国外の様々な研究会で発表し、他の研究者と活発な意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた複合ヒッグス模型のLHC実験における検証、フレーバー物理における世代構造への応用、さらに暗黒セクター(暗黒物質・暗黒エネルギー)の物理との相関性を含めた広範囲にわたる質量の起源探求の研究を進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も複合ヒッグス模型のLHC実験におけるシグナル検証とフレーバー物理、暗黒セクターの物理との相関性について研究を推進する。実施予定のトップクォークの物理との相関性については現在進行中であり、近日中に学術論文として発表する予定である。
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Causes of Carryover |
予定していた研究打ち合わせの日程が一日キャンセルになったため
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