2015 Fiscal Year Research-status Report
超高エネルギーガンマ線観測によるパルサーの放射機構の解明
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15K17647
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
齋藤 隆之 京都大学, 学内共同利用施設等, 助教 (60713419)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | パルサー / 超高エネルギーガンマ線 / 大気チェレンコフ望遠鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
MAGIC望遠鏡のアーカイブデータを共同研究者と協力して解析し、Crabパルサーからのパルス状放射は1 TeVまで続くことが発見できた。多くのモデルを棄却することになる大きな成果であったと言える。結果をまとめた論文をAstronomy&Astrophysics に発表した。Gemingaパルサーからは50 GeV以上の放射を検出することができなかった。パルサーの年齢と超高エネルギーガンマ線放射機構に関係があるのかもしれない。結果はAstronomy&Astrophysicsに投稿し受理された。 CTA大口径望遠鏡に搭載するためのCCDピクセルの開発もすすめた。光線追跡シミュレーションにより、反射鏡分割鏡の角度の較正が0.002%程度の精度できることを示した。また、テスト用のカメラを宇宙線研究所明野観測所に設置して試験をした。そのCCDカメラではパルサーの観測が難しいことが判明し、カメラの選定をし直すこととなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MAGICのデータ解析により、パルサーからの超高エネルギーガンマ線放射機構の描像が少しずつ明らかになってきたことには満足している。CTA大口径望遠鏡用Central CCDカメラについては、光線追跡シミュレーションにより分割鏡の較正アルゴリズムが確率できてきた一方で、現状のCCDカメラではパルサーの観測が非常に困難であることが発覚したのは、予想外であった。また、大口径望遠鏡の焦点面検出器全体の機械的構造が確定しつつある。Central CCDの搭載機構の開発に手が回らなかったのは反省すべき点である。
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Strategy for Future Research Activity |
まずはCCDカメラの選定のし直しが急務である。集光性能の構造および、ピクセル閾値の下げられるものが必要となる。また、CCDカメラの設置機構を確定させることも急がねばならない。大まかな構想は練ってあるが、ねじの位置など詳細の決定には少し時間がかかると予想している。 また、今年度中に大口径望遠鏡一台が観測を始める。システムの較正方法、データの解析方法を確立し、観測データの速やかな観測ができるよう準備する。
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Research Products
(9 results)