2016 Fiscal Year Annual Research Report
Sterile neutrino search in unsolved parameter region with Double Chooz detectors
Project/Area Number |
15K17656
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
松原 綱之 首都大学東京, 理工学研究科, 特任准教授 (30724992)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ニュートリノ振動 / ステライルニュートリノ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、フランス・Chooz原子力発電所にて、原子炉から飛来する反電子ニュートリノのエネルギーを精密測定することでステライルニュートリノ探索を行うことを目的とする。反電子ニュートリノの検出器には、原子炉コアから約400 mと1 km離れた2基のDouble Chooz検出器を用いる。平成27年から前置検出器の測定を開始し、当初の予定通りに、これまで約15ヶ月分の解析可能なデータの取得に成功した。 平成28年度前半までに、計算機とストレージの増強によるデータ処理・検出器性能やバックグラウンドの理解をすすめ、それらの評価から期待される探索感度を見積もった。懸念されていた原子炉ニュートリノスペクトルの歪みは、2基の検出器で観測されたエネルギースペクトルの比をとる手法を採用することで解決した。7月のニュートリノ国際会議・8月のICHEP国際会議などで、これら成果と今後の見通しについて口頭・ポスター発表を行った。 平成28年度後半は、混合角θ13測定と共有している系統誤差の見積もりを行った。当初の予定よりそれらの見積もりに時間を要したため実データを用いたθ13解析に進めていなかったが、まもなく完了する段階にある。ステライルニュートリノ探索はθ13測定の拡張であり、最優先課題のθ13測定の論文がまとまり次第、本課題の実データ解析に進むことができる。このように平成28年度内に探索結果を得る道筋をつけることに成功した。今後ドイツグループと共同で探索結果を迅速にとりまとめて学術論文に投稿する見込みである。
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