2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K17662
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Research Institution | Matsue National College of Technology |
Principal Investigator |
須原 唯広 松江工業高等専門学校, 数理科学科, 助教 (10708407)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | クラスター構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
余剰中性子により安定化するエキゾチックなクラスター構造の例として、14Cにおけるリニアチェイン構造を申請者は2010年に予言した。これに関して、複数の実験グループと共同研究を行い、α散乱反応を用いて、その存在が確認されつつある。理論で予言した回転バンドと同じエネルギーの3つの大きな崩壊幅をもつ状態が観測されており、これはリニアチェイン状態存在の有力な証拠となりえる。 また、エキゾチックなクラスター構造が分解閾値より下に現れた場合に、どのような方法によって実験と対比し、確認するか、ということが問題になっていたが、これについて、α移行反応の反応断面積と比較して核表面におけるクラスター分布を観測する方法を開発し、具体的に20Neに適用した結果が論文として出版された。 現実的核力を用いたクラスター構造計算に関して、コード開発が進み、6体力まで計算できるようになった。4Heの励起状態に現れるクラスター構造の2個のチャンネル(t+pおよびd+d)について研究を行った。結果として、原子核が複数の部分系に別れ、それらが複数の核子からなる場合、テンソル相関演算子と短距離相関演算子を、それぞれの部分系に作用できるように、基底波動関数を準備する必要があることが分かった。 3α+Xn系に対しては、13Cに対する研究が進行し、12Cの3α系の場合に行ったのと同様の、クラスター構造の壊れによって、どのように励起状態に現れるクラスター構造が変化するか評価できる目処が立った。16Cは当初予定していた、α+α+8Hとα+6He+6Heのハイブリッド模型では中性子の取り扱いが不十分であることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
14Cにおけるリニアチェイン構造を実験と比較できたのは予想以上の大きな成果である。また核表面のクラスター分布を実験でどのように見るか、という問題に一定の答えを出せたのも大きな成果である。さらに現実的核力を用いたクラスター構造計算に関して相関演算子の作用させかたについて一定の知見を得た。 一方で3α+Xn計算では13Cは進んだものの16Cに対する当初の予定からは遅れてしまった。 合わせて、おおむね順調と評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
3α+Xn計算、とくに13Cの計算を完成させる。そしてその知見を用いて16Cのクラスター構造に対する計算方法を構築する。 また現実的核力を用いたクラスター構造計算に関して、さらなる多体項の計算コードを実装し、さらに角運動量射影と生成座標法も行えるようにする。
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Causes of Carryover |
参加を計画していた研究会に本務の都合で参加できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
発表のための旅費として使用する。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] One-dimensionality in atomic nuclei: A candidate for linear-chain α clustering in 14C2016
Author(s)
A. Fritsch, S. Beceiro-Novo, D. Suzuki, W. Mittig, J. J. Kolata, T. Ahn, D. Bazin, F. D. Becchetti, B. Bucher, Z. Chajecki, X. Fang, M. Febbraro, A. M. Howard, Y. Kanada-En'yo, W. G. Lynch, A. J. Mitchell, M. Ojaruega, A. M. Rogers, A. Shore, T. Suhara, X. D. Tang, R. Torres-Isea, and H. Wang
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Journal Title
Phys. Rev. C
Volume: 93
Pages: 014321(1-5)
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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