2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Ultra-Thin Beam Monitor
Project/Area Number |
15K17666
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
深尾 祥紀 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (80443018)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ビームモニター / パルスミューオンビーム / 精密測定実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、パルスミューオンビームを用いた基礎物理の精密測定実験における、ビームモニター検出器の開発である。平成28年度には、前年度に制作したビームモニター検出器をJ-PARC MUSEで進めているMuSEUM実験に組み込み、ミューオニウム超微細構造の測定を行った。平成28年度の最初の実験は6月に行った。最初の物理測定実験であったため、ビーム、実験装置の調整を試行錯誤しながら慎重に行い、最終的に超微細構造の物理量の測定に成功した。本研究によるビームモニター検出器も正常に動作し、ビームのプロファイルの測定に成功した。現段階の統計量ではビームモニター検出器によるビームの情報が物理測定の誤差に大きく貢献することはないものの、今後も継続していく実験において、貢献できるであろうことを確認できた。この実験結果は共同研究者の博士論文としてまとめられている。平成29年2月にも継続してMuSEUM実験を行っている。 特にビームモニター検出器に関しては、MuSEUM実験に組み込むためのチェンバーの制作を中心に行った。ビームモニター検出器に使用しているMPPCは周囲の温度に性能が依存するため、当初計画では周囲の温度管理を行うこととしていたが、予算の制限により実現には至らなかった。しかしながら、現段階では物理測定の誤差に及ぼす影響は小さいと想定されるため、本研究の目標は十分に達成されたと考えている。 平成28年度にはビームモニター検出器の性能評価に特化したビーム実験も行う計画であったが、ビームタイムが限られており物理測定実験に優先的に割り当てられていることもあり、ビームタイムを確保することができなかった。平成29年度秋にこのためのビームタイムを確保できる見通しであり、そこでさらに検出器の性能を詳細に評価する。
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Research Products
(6 results)