2018 Fiscal Year Annual Research Report
Theoretical study of hidden electronic structure property of orbital ordering phase protected by magnetic space group symmetry
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15K17713
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 通人 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (10596547)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 反強磁性 / トポロジー / 多極子 / 第一原理計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である平成30年度は、平成29年度に引き続き、実験グループとの共同研究によって磁性体における巨大な異常ネルンスト効果の発見に貢献したほか(Sakai, Mizuta et al., Nature Phys. 14, 1119 (2018))、巨大異常ホール効果を起こす反強磁性体として知られるMn3Snで新たに発見された異常熱ホール効果の発現機構の研究に取り組んだ(Sugii et al., arXiv:1902.06601)。さらに、これまでの研究で発展させたクラスター多極子理論を一般化することで、一般の結晶構造に対して多極子と対称性によって分類された直交磁気構造が生成できることを示し、中性子散乱実験における磁気構造の同定や第一原理計算における安定磁気構造の評価を行う上で有用な、直交な磁気構造を系統的に生成する新しい理論を提案している(Suzuki, Nomoto, Arita, Yanagi, Hayami, Kusunose, arXiv:1902.10819 (2019))。本理論によって、与えられた結晶構造のもとで異常ホール効果や電気磁気効果など種々の物性を示す磁気構造を網羅することが可能となり、トポロジーとマクロ物性の関係を第一原理計算を使って系統的に解析するための一連の枠組が一通り構築できたことになる。ここで提案された新しい理論は、研究代表者らによる反強磁性体のトポロジー構造と異常ホール効果の系統的研究や、第一原理計算による全エネルギー計算と組み合わせた安定磁気構造の評価フレームワーク構築の研究などに応用されており、多岐にわたる新しい研究展開の礎となっている。
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Research Products
(10 results)