2017 Fiscal Year Annual Research Report
Generation processes of spectral anisotropy of turbulence by magnetohydrodynamic waves in the solar wind
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15K17770
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| Research Institution | University of Toyama |
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Principal Investigator |
成行 泰裕 富山大学, 人間発達科学部, 准教授 (50510294)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 太陽風 / 磁気流体乱流 / アルヴェン波 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度から引き続き3次元の運動論的流体モデル(KTDNLS)を用いてアルヴェン波の非線形発展の解析を行い、サイクロトロン減衰を模擬した減衰項がある場合でも運動論減衰(非線形ランダウ減衰)の効果が強いほど斜め伝搬波動の励起に伴うアルヴェン波の減衰が抑制されることを確認した。また、サイクロトロン減衰の影響が大きい場合でも、低周波の有限振幅擾乱がある場合は平行方向の高波長成分の生成(順カスケード)が進行することがわかった。一方で、磁場エネルギーの異方性については、順カスケードに伴う高波数成分の励起よりもサイクロトロン減衰効果の方が顕著になることで、相対的に斜め伝搬成分が卓越し得ることがわかった。この結果は、運動論的な減衰過程のために、太陽風乱流中でエネルギーカスケードが生じていてもスペクトル異方性の生成への寄与が小さい場合があることを示唆している。また、磁気圧のサブグリッドスケール項を用いてエネルギーカスケードを直接評価する方法を考案し、波数スペクトルのカスケード(波数モード間の近隣相互作用によるエネルギー輸送)を特徴付ける空間スケールの定量化を行った。
加えて、昨年度導出した非線形アルヴェン波を表す比熱の経験モデルを高温の領域まで拡張した。さらに、運動論から導かれた非線形アルヴェン波の振幅変調に伴う密度揺らぎの表式を低温極限で展開することで、温度依存性を持つ比熱比を導出し、経験モデルの妥当性を確認した。さらに、非線形アルヴェン波の運動論的な比熱に対する経験モデルを太陽風温度の径方向発展へ適用し、モデルから得られた径方向発展が観測結果とよく一致し得ることを示した。求めた比熱比の経験式を膨張箱モデルへ適用し、膨張効果・運動論効果双方を含む非線形モデルを求めた。また、アルヴェン波による見かけの温度と本物の温度が同オーダーの場合の実効的な比熱比を求める表式を導出した。
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